昨年のサムスン電子と現代・起亜自動車の売上高は韓国の国内総生産(GDP)の20%に該当する規模だ。輸出全体で自動車産業の比率は8%、スマートフォンをはじめとする無線通信機器の比率は6%ほどになる。輸出でも両企業の役割が大きいということだ。
このように電子と自動車、いわゆる「電・車」が疾走する間、他の産業は競争力を失った。かつて世界1位だった造船・重工業と鉄鋼は中国に追い抜かれ、世界トップ5に入っていた海運業はほとんど没落した。代表選手格の「電・車」の輝かしい疾走に隠れ、他の産業の現実を直視できなかった結果だ。輸出依存度が高い韓国経済の特性から、海運業は国内の代表的な基幹産業の一つだっった。国連貿易開発会議(UNCTAD)の集計によると、韓国は2014年まで世界5大海運強国だった。しかしグローバル海運会社が運賃競争をする「チキンゲーム」を進める間、国内の海運会社は競争力を失った。不動の世界1位だった造船産業も同じだ。国際造船・海運市況分析機関クラークソンリサーチによると、9月末現在、韓国の受注残高は2234万CGT(標準貨物船換算トン数)と13年ぶりの最低水準だ。
サムスン電子が最新スマホ「ギャラクシーノート7」の生産打ち切りでふらついているが、韓国情報技術(IT)産業にはすでに赤信号がついて久しい。グローバル構造改革コンサルティング会社アリックスパートナーズが12日に出した報告書によると、韓国IT・通信企業のうち2年以内に企業回生手続き(法定管理)またはワークアウト(企業改善作業)など不健全化リスク群に含まれた企業の比率は2014年の11%から今年は17%に上昇した。
産業通商資源部によると、9月の携帯電話輸出は18億7000万ドルと、前年同月比33.8%減少した。情報通信技術(ICT)全体の輸出も145億3000万ドルと8.5%減り、12カ月連続の減少となった。今年1-9月の10大輸出品目の輸出減少も目立つ。自動車は13.5%、無線通信機器は9.9%減少した。石油製品は23.6%減、ディスプレーパネルは21%減となった。
電子産業が危機を迎えたのは、韓国企業が強みを持つ分野の競争が激しくなったうえ、新産業の育成は目立った成果を出せていないからだ。携帯電話分野でもサムスン電子を除いてグローバルトップ5に韓国企業の名前は見られない。2014年に世界市場シェア4.3%だったLGエレクトロニクスは今年上半期には2.7%に減少した。
自動車産業も同じだ。現代・起亜車は2009年、米フォードを抜いて販売台数で世界5位に入ったが、ロシア・南米など新興市場の景気低迷長期化と慢性的なストライキの影響で今年は販売目標の達成が不可能になった。昨年、現代・起亜車は世界で801万台を販売し、4位のルノー・日産アライアンス(850万台)に迫った。しかし今年は3年ぶりに販売800万台に達しない可能性が高い。ルノー・日産は今年、年間125万台を販売する三菱を買収し、現代・起亜車との差をさらに広げる態勢だ。
アリックスパートナーズのチョン・ヨンファン・ソウル事務所代表は「韓国企業は直ちに構造改革が必要な状況」とし「適切なリーダーシップと資源が投入されればまだ反騰の機会があるが、限界に到達した『ゾンビ企業』が経済回復の基盤を弱化させることが懸念される」と診断した。
サムスン電子と現代・起亜車が危機を迎えれば、中小協力企業や関連する家計の被害はさらに大きくなる。いわゆる「ネガティブ落水効果」だ。落水効果(trickle down effect)とは、富裕層や大企業の冨が増大すれば、中小企業や低所得層にも富が滴り落ちる」という経済理論をいう。
しかし韓国では大企業が好調な時も落水効果が作動しなかったという批判が多い。特に海外生産比率が高いサムスン電子(スマートフォン90%)、現代・起亜車(50%)が国内産業に及ぼす後方連関効果は減少する傾向だ。一方、両企業が厳しい時期に中堅・中小協力企業に及ぼす副作用は直接的だ。中国・ベトナムなどに進出した携帯電話協力企業が不振になったり、自動車企業の系列会社でない部品企業の利益が減るのも同様の理由だ。
産業研究院のイ・ハング研究委員は「特定大企業への依存度が高い経済構造で『逆落水効果』主張は一理ある」とし「大企業と労組は利益を分け合ったが、中小企業との賃金の差は広がり続ける状況」と話した。またイ研究委員は「極端に言えば、好調な時期は利益は分け合わず、被害は直接転嫁されるという点で、国内経済構造の改革が急がれる」と指摘した。
このように電子と自動車、いわゆる「電・車」が疾走する間、他の産業は競争力を失った。かつて世界1位だった造船・重工業と鉄鋼は中国に追い抜かれ、世界トップ5に入っていた海運業はほとんど没落した。代表選手格の「電・車」の輝かしい疾走に隠れ、他の産業の現実を直視できなかった結果だ。輸出依存度が高い韓国経済の特性から、海運業は国内の代表的な基幹産業の一つだっった。国連貿易開発会議(UNCTAD)の集計によると、韓国は2014年まで世界5大海運強国だった。しかしグローバル海運会社が運賃競争をする「チキンゲーム」を進める間、国内の海運会社は競争力を失った。不動の世界1位だった造船産業も同じだ。国際造船・海運市況分析機関クラークソンリサーチによると、9月末現在、韓国の受注残高は2234万CGT(標準貨物船換算トン数)と13年ぶりの最低水準だ。
サムスン電子が最新スマホ「ギャラクシーノート7」の生産打ち切りでふらついているが、韓国情報技術(IT)産業にはすでに赤信号がついて久しい。グローバル構造改革コンサルティング会社アリックスパートナーズが12日に出した報告書によると、韓国IT・通信企業のうち2年以内に企業回生手続き(法定管理)またはワークアウト(企業改善作業)など不健全化リスク群に含まれた企業の比率は2014年の11%から今年は17%に上昇した。
産業通商資源部によると、9月の携帯電話輸出は18億7000万ドルと、前年同月比33.8%減少した。情報通信技術(ICT)全体の輸出も145億3000万ドルと8.5%減り、12カ月連続の減少となった。今年1-9月の10大輸出品目の輸出減少も目立つ。自動車は13.5%、無線通信機器は9.9%減少した。石油製品は23.6%減、ディスプレーパネルは21%減となった。
電子産業が危機を迎えたのは、韓国企業が強みを持つ分野の競争が激しくなったうえ、新産業の育成は目立った成果を出せていないからだ。携帯電話分野でもサムスン電子を除いてグローバルトップ5に韓国企業の名前は見られない。2014年に世界市場シェア4.3%だったLGエレクトロニクスは今年上半期には2.7%に減少した。
自動車産業も同じだ。現代・起亜車は2009年、米フォードを抜いて販売台数で世界5位に入ったが、ロシア・南米など新興市場の景気低迷長期化と慢性的なストライキの影響で今年は販売目標の達成が不可能になった。昨年、現代・起亜車は世界で801万台を販売し、4位のルノー・日産アライアンス(850万台)に迫った。しかし今年は3年ぶりに販売800万台に達しない可能性が高い。ルノー・日産は今年、年間125万台を販売する三菱を買収し、現代・起亜車との差をさらに広げる態勢だ。
アリックスパートナーズのチョン・ヨンファン・ソウル事務所代表は「韓国企業は直ちに構造改革が必要な状況」とし「適切なリーダーシップと資源が投入されればまだ反騰の機会があるが、限界に到達した『ゾンビ企業』が経済回復の基盤を弱化させることが懸念される」と診断した。
サムスン電子と現代・起亜車が危機を迎えれば、中小協力企業や関連する家計の被害はさらに大きくなる。いわゆる「ネガティブ落水効果」だ。落水効果(trickle down effect)とは、富裕層や大企業の冨が増大すれば、中小企業や低所得層にも富が滴り落ちる」という経済理論をいう。
しかし韓国では大企業が好調な時も落水効果が作動しなかったという批判が多い。特に海外生産比率が高いサムスン電子(スマートフォン90%)、現代・起亜車(50%)が国内産業に及ぼす後方連関効果は減少する傾向だ。一方、両企業が厳しい時期に中堅・中小協力企業に及ぼす副作用は直接的だ。中国・ベトナムなどに進出した携帯電話協力企業が不振になったり、自動車企業の系列会社でない部品企業の利益が減るのも同様の理由だ。
産業研究院のイ・ハング研究委員は「特定大企業への依存度が高い経済構造で『逆落水効果』主張は一理ある」とし「大企業と労組は利益を分け合ったが、中小企業との賃金の差は広がり続ける状況」と話した。またイ研究委員は「極端に言えば、好調な時期は利益は分け合わず、被害は直接転嫁されるという点で、国内経済構造の改革が急がれる」と指摘した。
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