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【社説】韓国経済をパーフェクトストームが襲うが、政府が見えない

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国経済の危機警告音があちこちで鳴り響いている。核心エンジンである輸出と内需が同時に沈滞し、失業状況も深刻になっている。不動産市場だけがかろうじて活況を維持しているが、このために1257兆ウォン(約115兆円)の家計負債が爆発直前の時限爆弾となっている。ただ超低金利の錯視現象で目立たないだけだ。さらに実物経済を支えてきた代表的な企業までが最悪の危機を迎えている。

サムスン電子の最新スマホ「ギャラクシーノート7」の生産打ち切りと現代車のストライキの後遺症で、10-12月期の輸出増加率は3.4ポイント急落する見込みだ。これに伴い成長率も1%台に落ち込むことが確実視されている。さらに韓国銀行(韓銀)は昨日、来年の経済成長率を2.8%に下方修正し、「サムスン電子と現代車の変数を反映していない」と述べた。来年の成長率がさらに落ちるかもしれないということだ。サムスン電子と現代車の「ビッグ2ショック」は一日で解決するものではない。サムスン電子は品質神話が崩壊し、ブランド価値が大きく損なわれた。現代車も慢性的な高賃金構造にエンジン・エアバッグ欠陥など品質危機まで重なった状態だ。

「ビッグ2ショック」は単に実績悪化や株価急落にとどまらない。韓国経済に及ぼす悪影響と全体の被害額は幾何級数的に増えるしかない。リコールで山積した製品はどう処理するのか、多数の協力企業も生産中止による部品生産の空白をどう乗り越えるのか心配だ。協力企業があらかじめ確保した資材が「不用」処理される場合、部品の在庫を廃棄するしかなく、連鎖倒産を避けるのは難しい。


海運・造船・鉄鋼・石油化学・自動車など主力業種がふらつき、失業問題の深刻化に対する懸念も強まった。先月、6カ月以上の長期失業者は通貨危機以来の最高水準となり、青年失業率も9.4%と過去最悪となった。内需を唯一支えてきた不動産も行き詰まる雰囲気だ。米連邦準備制度理事会(FRB)が年内の利上げ方針を固めているからだ。あらかじめ家計負債を軟着陸させることができなければ、衝撃は想像以上のものになるだろう。

韓国経済はパーフェクトストームを目の前にしている危機状況だ。さらに恐怖を深めているのはのん気な政府だ。外貨準備高や国債格付けのような算術的指標が安定的という理由で非常対策に背を向けている。あたかも通貨危機直前に「経済のファンダメンタルは問題ない」と述べていた官僚のデジャヴィを見ているようだ。こうした中、経済副首相と韓銀総裁は「財政の余力がある」「金利の役割がある」と責任を押し付け合っている。

パーフェクトストームが近づけば最悪の状況も覚悟しなければいけない。すべての荷物を海に投げ捨てて最も大きな波を正面から乗り越えてこそ生き残ることができる。誰が何といっても船長は政府だ。非常対策が必要な危機状況が迫っている。政府が率先し、いつでも財政政策や通貨政策などあらゆる政策手段を総動員できるよう、非常プランから準備しておくべきだろう。



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