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【取材日記】教育無視しても免許は無事な韓国の医者たち

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

キム・フェリョン記者

先週のフランス出張の際、現地の開業医にインタビューする機会があった。話の途中、患者1人を診療するのに平均18分ほどかかるという話を聞いた。1~2分の診療がすべての韓国内の状況とは違った。診療時間を減らしてよい多くの患者を受け入れてこそ収入が増えるのではないかという質問に彼は首を横に振った。「職業倫理と良心の側面でそのようにはできません」。

医師としての職業倫理と良心は韓国だからと言ってフランスと大きく違うことはないだろう。ところが最近のC型肝炎集団感染は、使い捨て注射器を再使用した一部の医院が費用を浮かそうとして起きた事故だった。故シン・ヘチョル氏の「医療事故」で裁判を受けながら別の患者を手術して死に至らしめる医者もいたり、飲酒状態で3歳の子供を手術した大学病院の医者もいる。

職業倫理と良心を捨てた、極めて一部の医療関係者の誤りだと見ることもできる。だが、もっと大きな問題はこのような一部の逸脱行為を事前に遮断する制度的装置がきちんと作動していないところにある。国会立法調査処によると、毎年8時間以上の補修教育を受けなかった医者は2万667人(2015年末基準)で全体免許所持者(11万5976人)の18%だった。補修教育は改正医療法や最新の病気情報などを共有する医者を対象とした教育だ。保健福祉部が医師免許を管理する核心手段でもある。法的には補修教育を受けなければ医師免許更新できないようになっている。福祉部がこれを拒否できるようになっているということだ。ところがこの規定は徹底して守られていなかった。教育を受けなかったという理由で免許更新を拒否した事例は最近5年間ゼロだった。福祉部は規定通り強制する意志を特に見せずにいる。福祉部関係者は「1次警告後、2次で免許停止が可能だが、教育を受けなかったと言って更新を拒否するのは行き過ぎる面がある」と話すほどだ。大韓医師協会(以下、医師協)関係者も「強制規定はあっても、事実上適用されないため一部の医者はおおっぴらに教育を受けないと話すほどだ」と打ち明けた。


このような事情を見かねた医師協はことし4月、補修教育評価団を設置して出欠管理を強化した。福祉部とともに、医療倫理など患者の安全に関する教科目を追加履修するようにする医療法改正案も近く出す予定だ。

結局、医者として職業倫理と良心を守るに先立ち、教育からしっかりと受けなければならない。医師協関係者は「補修教育を誠実に修了しても職業倫理を破った人はほとんどいなかった。福祉部が強制措置に対して積極的に取り組むべき」と話した。檀国(タングク)大医療倫理学科のパク・ヒョンウク教授は「教育無視は安全不感症と直結しているだけに累積罰点制のように免許を実質的に剥奪する方法を探るべきだ。処罰と共に海外医療倫理研修支援のような“ニンジン”もあってこそ医療界自ら変化していくことができる」と明らかにした。

チョン・ジョンフン社会1部記者



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