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【コラム】ただならぬ8月=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
昨年に続き今年の8月も尋常ではない。北朝鮮は昨年8月に木箱入り地雷挑発事件を起こしながら韓半島(朝鮮半島)を戦争直前まで推し進めた。劇的に8・25合意を通じて危機を克服したが、めまいのするような瞬間だった。今年は北朝鮮が第5次核実験を含めた挑発を押し切る可能性があり緊張が高まっている。

政府当局者は北朝鮮が狙う時期として韓米合同軍事演習である乙支(ウルチ)フリーダム・ガーディアン(UFG:8月22~26日)以前かその後と予想している。北朝鮮がもしUFGに先立ち核実験を含めた挑発を断行すれば軍事的優位を誇示してUFGの士気低下にも活用できるという説明だ。

北朝鮮は現在このような挑発を押し切る内部的な要因がある。金正恩(キム・ジョンウン)委員長が今年の労働党第7回大会と最高人民会議で労働党委員長と国務委員長にそれぞれ推戴されながら権力を掌握した。だが依然として不安要素が残っている。代表的なものは金元弘(キム・ウォンホン)部長が私兵集団のように働かせている国家安全保衛部(韓国の国家情報院)だ。金元弘部長はこれまで首領を補佐すると言いながら金正恩委員長が脅威を感じるほどに絶対的な権力を振り回してきた。したがって核実験を含めた挑発は金正恩委員長が内部的に権力を完全に掌握できる大義名分になりうる。金正恩委員長はこれを通じて大々的な人事を断行すると発表された。


金正恩委員長は現在、金元弘部長の力を少し取り除いた状態だ。北朝鮮は6月に開かれた最高人民会議で国防委員会を国務委員会に拡大・変更した。それと共に国防委員会傘下だった軍事・安保・公安を担当する機関(人民武力省・人民保安省・国家安全保衛省)を国務委員会傘下に移して内閣とは別に編成した。したがって金元弘部長が今回の人事で国家安全保衛相に任命されれば、ほかの内閣のトップと同じ隊列になりながら今よりも自然と格下げされることになる。

北朝鮮の挑発が予想される中でもう1つの関心事は中国の態度だ。中国は高高度ミサイル防衛(THAAD)体系を推進中の韓国を外交部・CCTV・人民日報などが立ち上がって連日非難している。中国は南シナ海の領有権紛争に敗訴したことと共にTHAADの韓国配備推進が米国に屈服するものと受け止められないか内心では心配している。それで中国当局は湖南省・河南省などのiPhone・KFCなど米国製品の不買運動を注意深く見守っている。

もし北朝鮮が突発的な行動を断行する場合、中国はこのような憂慮を吹き飛ばしてしまえる良いチャンスを得る。自国民の関心を北朝鮮側に向けることができるためだ。中国は北朝鮮が追加で核実験をしても以前とは違い積極的に反発しない可能性が高い。北朝鮮もこのような中国の内心を看破したように3日ノドンミサイルと推定されるミサイル2発を発射した。今年に入ってから13回、29発目だ。北朝鮮と中国の親密になった関係は、すでにASEAN地域フォーラム(ARF)会議で確認された。韓半島周辺で広がる変化を我田引水式に解釈することを警戒しながら冷静な判断を失ってはいけない8月だ。

コ・スソク統一文化研究所研究委員・北朝鮮学博士



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