北朝鮮がファンガンダムの放流を始めた6日、京畿道漣川郡(ヨンチョングン)グンナムダムで住民が水位をチェックしている。
この日午前6時の北朝鮮の突然のファンガンダム放流に対する政府の措置だった。軍当局は午前7時29分、ファンガンダムの放流を確認し、直ちに韓国水資源公社と漣川郡(ヨンチョングン)にこれを通知した。これを受け、午前8時30分からグンナムダム-臨津橋-チャンナム橋にいたる臨津江周辺の15カ所に設置された警告放送施設では避難放送があった。
軍の関係者は「無人偵察機やアリラン衛星など人工衛星を通じてファンガンダムの水位と水門の開放を把握している」と述べた。無人機はイスラエルで製作された「サーチャーII」や国産「ソンゴルメ(=はやぶさ)」が投入されるという。軍は休戦ライン北側の北朝鮮軍の動向把握のために前方に無人機を配備している。北朝鮮軍の動向はもちろんファンガンダムなど南側に被害を与えるおそれがある各種施設も監視対象だ。人工衛星の写真の判読を通じて随時ファンガンダムの水位を把握し、水位が上昇すれば無人機を投入して集中監視する。ファンガンダムが放流する場合、水量の増加で水位が上昇するだけでなく川幅も広くなる。したがって軍当局はファンガンダム周辺の川幅も監視している。
南北は2009年10月、臨津江近隣住民の被害を防ぐために、北朝鮮がファンガンダム放流時に事前通知することで合意した。しかし北朝鮮はこの日、事前通報なく水門を開いた。貯水量が3億5000万トンほどの北朝鮮のファンガンダムは休戦ラインから42.3キロほど離れていて、1秒あたり500トンの水を放流する場合、約8時間後に南側の必勝橋に到着する。北側地域には臨津江の水位を観測する施設がなく、事前通報がない場合は「水爆弾」を浴びるおそれがある。5月に2回放流する時も事前通知をせず、臨津江下流の網が流失するなど韓国の漁民に被害が発生した。2009年9月6日未明には北朝鮮の無断放流のため、臨津江流域でキャンプをしていた観光客6人が死亡した。
軍当局はこの日、北朝鮮の放流をひとまず水位調節のためと見ている。国防部の当局者は「水攻めはダムを爆破するなど多くの水を一度に流す方式を使う」とし「最近の豪雨でファンガンダムがほぼ満水になり、徐々に放流量を増やしたという点で水攻めとは見なしにくい」と説明した。
韓国水資源公社はファンガンダム放流に備えて2010年に建設した洪水調節用グンナムダムの水門を開いて水位を調節する。韓国水資源公社のキム・テグァン次長は「臨津江の水位の基準となる必勝橋の水位が5日午前4時50分に2.24メートルで最も高くなった。現在グンナムダムの水門を開いて水位調節しながら2メートル以下を維持している」と伝えた。
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