北朝鮮が22日、中距離弾道ミサイル(IRBM)「ムスダン」(BM-25)を2発発射した。1発は150キロ飛行して海に墜落し、残りの1発は約400キロ飛行したことが分かった。北朝鮮のミサイル発射に関連する技術的な説明は多いが、発射時点への言及は多くない。なぜ北朝鮮は今、ミサイル発射を決めたのだろうか。
北朝鮮はおそらく22、23日に中国北京で開かれた第26回北東アジア協力対話(NEACD)に強力な信号を送りたかったようだ。NEACDは6カ国協議だが6カ国協議ではない。公式的な場ではないからだ。NEACDは関連国の政府ではなく米カリフォルニア大「国際紛争・協力研究所」(IGCC)と中国外務省傘下の「中国国際問題研究院」(CIIS)が共同主催した。しかし今回はやや違った。2012年以降初めて出席した北朝鮮代表団に6カ国協議次席代表の崔善姫(チェ・ソンヒ)外務省米州局副局長が姿を現した。米国からはソン・キム北朝鮮担当特別代表が出席した。6カ国協議当事国の首席・次席代表が1カ所に集まった。専門用語を借りれば1.5トラック(半官半民)会談になったのだ。
NEACDに関するもう一つの疑問は、対話を標ぼうする会談だが、出席者の大半が実際には北朝鮮と対話をしないということだ。米国と北朝鮮の対話不在は以前のコラムで触れた。韓国と日本も現在の北朝鮮と対話をしない。ロシアは北朝鮮の新しい友好国として位置づけを強化するために北朝鮮と対話しているだろうが、実際の対話なのか無批判的な相互尊重関係なのかは明確でない。
最も大きな謎は中国だ。中国と北朝鮮は対話を再開したのだろうか。私は今回のコラムで朝中関係の突然の転換を追跡しようと思う。昨年ずっと続いていた中朝間の緊張は、昨年10月10日に中国共産党の劉雲山中央政治局常務委員が平壌(ピョンヤン)で開かれた労働党創党70周年閲兵式および群衆大会に出席して変わる雰囲気だった。
しかし北朝鮮が今年1月6日に4回目の核実験を敢行し、中国が国連安全保障理事会(安保理)対北朝鮮制裁決議案2270号を受け入れ、双方の緊張はまた高まった。しかし北朝鮮がムスダン発射に失敗した翌日の1日、中国の習近平国家主席は北京人民大会堂で北朝鮮の李洙ヨン(イ・スヨン)労働党中央委員会副委員長に会った。
習主席が北朝鮮高官級特使に会ったのは約3年ぶり(習主席は3回目の核実験後の2013年5月、中国を訪問した当時の崔竜海北朝鮮軍総政治局長に会った)。このため数人の専門家は中国の対北朝鮮政策がまた変わったと分析した。習主席と李洙ヨン副委員長の会談時間が20分にすぎず、雰囲気は友好的でなかったという中国の主張にも、会談の実現には意味がある。北朝鮮は今回の会談が分岐点になると信じているようだ。朝鮮中央通信が17日、「朴槿恵(パク・クネ)でなくとも我々と手を握って進む他の対話相手はいくらでもいる」と報道したのがその例だ。ここで他の相手とは中国を意味するとみられる。
しかしこうした政治的な信号を北朝鮮に対する政策転換や北朝鮮との対話再開と判断する兆候はない。中国の対北朝鮮制裁は緩和されておらず、北の核に対する中国の立場は確固たるものだ。むしろ習主席と李副委員長の会談は部分的に、韓半島に関して中国は米国との協力ではなく他の政策的選択肢があることを米国に想起させるための目的と見られる。米中戦略経済対話のためのケリー米国務長官の北京訪問を控えて会談が行われたからだ。
4回目の核実験以降、中国は北朝鮮に核兵器を放棄させるためには圧力を加える必要があるという事実を悟ったとみられる。中国は北朝鮮に対する激しい圧力が北朝鮮政権の崩壊を招かないか恐れている。中国東北部の安定を脅かす要因であるからだ。にもかかわらず国連の対北朝鮮制裁決議案を履行している。一方では6カ国協議の再開を希望するという立場を繰り返している。その半面、北朝鮮は核プログラムの放棄を主張するいかなる対話にも関心がないという立場だ。双方の対話が再開されたとしても対話にはならないとみられる。 (中央SUNDAY第485号)
米国が北ミサイル発射を望んだ理由(2)
北朝鮮はおそらく22、23日に中国北京で開かれた第26回北東アジア協力対話(NEACD)に強力な信号を送りたかったようだ。NEACDは6カ国協議だが6カ国協議ではない。公式的な場ではないからだ。NEACDは関連国の政府ではなく米カリフォルニア大「国際紛争・協力研究所」(IGCC)と中国外務省傘下の「中国国際問題研究院」(CIIS)が共同主催した。しかし今回はやや違った。2012年以降初めて出席した北朝鮮代表団に6カ国協議次席代表の崔善姫(チェ・ソンヒ)外務省米州局副局長が姿を現した。米国からはソン・キム北朝鮮担当特別代表が出席した。6カ国協議当事国の首席・次席代表が1カ所に集まった。専門用語を借りれば1.5トラック(半官半民)会談になったのだ。
NEACDに関するもう一つの疑問は、対話を標ぼうする会談だが、出席者の大半が実際には北朝鮮と対話をしないということだ。米国と北朝鮮の対話不在は以前のコラムで触れた。韓国と日本も現在の北朝鮮と対話をしない。ロシアは北朝鮮の新しい友好国として位置づけを強化するために北朝鮮と対話しているだろうが、実際の対話なのか無批判的な相互尊重関係なのかは明確でない。
最も大きな謎は中国だ。中国と北朝鮮は対話を再開したのだろうか。私は今回のコラムで朝中関係の突然の転換を追跡しようと思う。昨年ずっと続いていた中朝間の緊張は、昨年10月10日に中国共産党の劉雲山中央政治局常務委員が平壌(ピョンヤン)で開かれた労働党創党70周年閲兵式および群衆大会に出席して変わる雰囲気だった。
しかし北朝鮮が今年1月6日に4回目の核実験を敢行し、中国が国連安全保障理事会(安保理)対北朝鮮制裁決議案2270号を受け入れ、双方の緊張はまた高まった。しかし北朝鮮がムスダン発射に失敗した翌日の1日、中国の習近平国家主席は北京人民大会堂で北朝鮮の李洙ヨン(イ・スヨン)労働党中央委員会副委員長に会った。
習主席が北朝鮮高官級特使に会ったのは約3年ぶり(習主席は3回目の核実験後の2013年5月、中国を訪問した当時の崔竜海北朝鮮軍総政治局長に会った)。このため数人の専門家は中国の対北朝鮮政策がまた変わったと分析した。習主席と李洙ヨン副委員長の会談時間が20分にすぎず、雰囲気は友好的でなかったという中国の主張にも、会談の実現には意味がある。北朝鮮は今回の会談が分岐点になると信じているようだ。朝鮮中央通信が17日、「朴槿恵(パク・クネ)でなくとも我々と手を握って進む他の対話相手はいくらでもいる」と報道したのがその例だ。ここで他の相手とは中国を意味するとみられる。
しかしこうした政治的な信号を北朝鮮に対する政策転換や北朝鮮との対話再開と判断する兆候はない。中国の対北朝鮮制裁は緩和されておらず、北の核に対する中国の立場は確固たるものだ。むしろ習主席と李副委員長の会談は部分的に、韓半島に関して中国は米国との協力ではなく他の政策的選択肢があることを米国に想起させるための目的と見られる。米中戦略経済対話のためのケリー米国務長官の北京訪問を控えて会談が行われたからだ。
4回目の核実験以降、中国は北朝鮮に核兵器を放棄させるためには圧力を加える必要があるという事実を悟ったとみられる。中国は北朝鮮に対する激しい圧力が北朝鮮政権の崩壊を招かないか恐れている。中国東北部の安定を脅かす要因であるからだ。にもかかわらず国連の対北朝鮮制裁決議案を履行している。一方では6カ国協議の再開を希望するという立場を繰り返している。その半面、北朝鮮は核プログラムの放棄を主張するいかなる対話にも関心がないという立場だ。双方の対話が再開されたとしても対話にはならないとみられる。 (中央SUNDAY第485号)
米国が北ミサイル発射を望んだ理由(2)
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