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【コラム】後退するのはスポーツだけか=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
8月5日のリオデジャネイロオリンピック(五輪)開幕まで残り60日となった。韓国の目標成績は「10-10」(金メダル10個以上獲得と総合順位10位以内)。大韓体育会が予想する金メダル候補種目をみると、「予想通り」アーチェリー・バドミントン・フェンシング・柔道・射撃・テコンドーだ。102年ぶりに五輪の舞台に戻ったゴルフが金メダル候補に含まれた点(韓国女子ゴルフが世界最強なので当然だが)が新しいだけで、そのほかは1990年代と似ている。2016リオ五輪の目標が2008北京や2012ロンドン当時と比べて変わった点は、メダル候補種目に水泳がないことだ。五輪の年、韓国男子水泳は国家代表選抜戦で五輪A基準記録通過者を一人も出すことができなかった。水泳は国別にA基準記録通過者2人まで五輪に出場する。A基準記録通過者がいなければB基準記録通過者1人が出場できるが、出場が保証されているわけではない。もしかすると出場選手を見ることもできないかもしれない。

4日にソウル木洞(モクトン)室内スケートリンクで「オールザットスケート2016」アイスショーが開催された。出演者の中にキム・ヨナはいなかった。キム・ヨナは舞台の外で後輩を励まし、ショーを見守った。この日のアイスショーの観客は3000人にもならなかった。キム・ヨナが出演した過去のアイスショーはチケットを確保するのも難しかった。観客もいつも1万人に近かった。当時とは比較にならないほどみすぼらしい。さらに今回のアイスショーはタイトルスポンサーもなかった。

キム・ヨナを見てフィギュアに入門した「ヨナ・キッズ」が育っているというが、現状況を見ると韓国のフィギュアはキム・ヨナ以前に戻った。感じるだけでなく現実もそうだ。3月のフィギュア世界選手権大会女子シングルで韓国選手は14位、18位に終わった。国際スケート競技連盟(ISU)は世界選手権出場者の順位の合計が30位以内の国にのみ次の大会出場権2枚を与える。キム・ヨナが2枚に増やしておいた出場権がまた1枚に戻った。


朴泰桓(パク・テファン)の2008北京水泳自由形男子400メートル金メダルとキム・ヨナの2010バンクーバーフィギュア女子シングル金メダルなど、不毛地種目のメダルに全国民が感激し、「我々もやればできる」と語った。文化体育観光部と大韓体育会は「五輪メダル種目を多角化する」「第2の朴泰桓、キム・ヨナを育てる」といって各種プロジェクトを準備した。少なくない予算も投入された。北京から8年、バンクーバーから6年が過ぎた今、我々が到達したところは朴泰桓、キム・ヨナ以前の時間だ。2日、韓国のサッカーがスペインに1-6で敗れた。これも「5-0の敗戦」が続いた2002韓日ワールドカップ(W杯)以前に戻ったのだ。

少し考えてみた。過去からの退行はスポーツだけだろうか。汚く濁った大気、構造的な不正の中で命を落とす作業員、夜道に恐怖を感じる女性まで。前に進む世の中とは違い、我々をめぐる多くの日常が後退している。

チャン・ヘスJTBCデジタルニュースルーム部長



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