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【コラム】次期米国大統領とTPP(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国は環太平洋経済連携協定(TPP)に参加する意志を表明した。アジア最大規模になる自由貿易機関だ。TPPには米国と日本が含まれ、中国も静かに関心を見せている(現在としては中国がTPP水準の自由貿易協定に参加できる能力を備えているのか疑問だ)。TPPのモデルは韓米自由貿易協定(FTA)だ。韓米FTAは関税引き下げだけでなく国内生産・労働・環境に高い標準を付加する高品質自由貿易協定だ。

韓国がTPPの未来に対して心配する必要があるだろうか。いまの米国大統領選挙の様相を見れば自由貿易の見通しは暗鬱だ。民主・共和両党の有力候補らはTPPに反対するという点で意見が一致する。ヒラリー・クリントン氏は3月にオハイオ州で「自動車原産地規定のようなTPP条項に欠陥があり、日本のような米国の競争国がTPPを悪用するだろう」と話した。ドナルド・トランプ氏は「TPPのような狂ったことは防がなければならない」とさらに激しい発言をした。

クリントン氏のTPPに対する反対は民主党底辺の傾向を反映する。強大な労組勢力は米国の産業が低い生産費用を求めて海外に出ていくことを恐れる。事実TPPに対しクリントン氏が強硬な発言をした場所はミシガン州やオハイオ州など労組の割合が非常に高いところだ。クリントン氏の反自由貿易の立場は自称社会主義者であるバーニー・サンダース氏が民主党党内選で達成した意外な善戦を反映するものでもあると話した。サンダース氏はクリントン氏を貿易問題でより左側に動かすことになった。


トランプ氏の場合、反TPPの立場はヒラリー氏を攻撃するのに使われている。夫であるビル・クリントン元大統領が結成した北米自由貿易協定(NAFTA)を非難するためだ。トランプ氏はNAFTAにより米国から数百万の雇用が消えたと主張する。マクロ経済指標上で米国経済は改善している。だが相当数の米国人は生活水準や職業上の機会が停滞状態だと感じている。トランプ氏は彼らの憤怒と挫折感を票に結びつけようと試みている。トランプ氏の反貿易の発言は「外国人」をスケープゴートにしようとする。民主・共和両党候補らのこうした立場はアジアで懸念を起こしている。中国がより攻勢的に出てきている中で米国の次期大統領が新孤立主義政策を展開するかも知れないという見通しは事実とても当惑するものだ。



【コラム】次期米国大統領とTPP(2)

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