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【社説】精神疾患者の管理死角地帯が江南駅の惨劇招いた=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
17日にソウルの江南(カンナム)駅近くの共用トイレで起きた20代女性の殺害事件について警察は22日、「精神疾患による犯罪」と規定した。女性嫌悪にともなう憎悪犯罪だと一部から指摘もあったが、ソウル地方警察庁がプロファイラー5人を投じて調査した結果キム氏の精神分裂症が犯罪理由だという結論を出した。

キム氏はすでに2003~2007年に被害妄想症状を見せており、2008年に精神分裂症の診断を受けた後で計6回にわたり19カ月間の入院治療を受けたと発表された。キム氏は治療を中断したまま街中をさまよって症状が悪化しながらこのような悲劇につながったと分析されている。

今回の事件は、犯罪の可能性がある一部の精神疾患者についての管理がどれほどお粗末なのかを見せている。精神疾患者は国家と社会が治療して管理し社会復帰を助けるべき対象だ。治療を受ける精神疾患者は決して危険ではなく犯罪率がむしろ一般人よりも低いという保健医療の統計は、このような管理体系の強化がなぜ必要なのかをよく示している。


このような言葉も出ないような事件の再発を防ぐためには、精神疾患者が正しく治療を受けているのか、街中を徘徊して症状が悪化した人はいないのかをしっかり管理する作業が必須だ。現在224カ所に及ぶ地方自治体の健康増進センターで精神疾患者が入院・治療・退院する際に本人の同意書をもらって実施している事例管理を一層体系的に進めなければならない。健康増進センターに専門担当職員を配置して業務に専念させる案も必要だ。

医学的に高リスク群と判断される患者に対しては、集中専門担当制度など一層細やかで緻密な管理が後押しされなければならない。現在施行している精神疾患者に対する治療命令制をさらに厳格かつ実効性があるよう適用する必要もある。もちろん人権侵害の素地をなくすために透明に手続きを進めるのは必須だ。だが危険行動の可能性が高かったり問題が繰り返されたりする場合には、当局がもっと果敢に介入する側に新しいガイドラインをつくらなければならないだろう。

今回の事故をきっかけに最も憂慮される点は、精神疾患者を潜在的な犯罪者として烙印を押すことだ。だが精神疾患者を社会が白眼視すれば治療や管理を受けることを敬遠することになり、こういう場合は症状がさらに悪化して極端的なことが起きる可能性も高くなってしまう。社会が彼らを暖かく包み込んでこそ、一層安全な社会がつくられる。

男女用にトイレを分け、有犯地域の環境を改善するなど犯罪予防のための社会環境の造成も切実だ。これまで韓国社会が放置してきたこのような問題点を、積極的に改善して不足した部分を補完することこそが、無念の犠牲者の魂を少しでも慰めることになるであろう。



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