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後退する韓国内の電気自動車政策、iPhoneショック繰り返すのか(1)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版

イーロン・マスク氏は「現在3608カ所の専用充電所を来年までに7200カ所に増やす」と話した。(写真=中央フォト)

慶尚南道金海(キョンサンナムド・キムヘ)に住みながら釜山市(プサンシ)に通勤しているキム・ジョンソンさん(39、病院行政職)は昨年10月、起亜自動車のレイ(RAY)電気自動車(EV)を中古で購入するやいなや、国内の劣悪な電気自動車のインフラを痛感した。居住しているマンションに自家緩速充電器を設置しようとすれば、住民全員の同意を得なければならなかった。住民会議で2回保留にされた挙げ句5カ月後に同意を得ることができた。家の外で電気が落ちれば一層堪え難い。特に電気がすぐに消耗する冬の季節はいつもハラハラしていた。数カ所しかない急速充電所に、ずさんな運営時間、不安定な決済システムがキムさんを困らせた。キムさんは「金曜日(15日)夜中の2時に家まで距離20キロ残った状況で電気が足りなくなり、金海車両登録事業所にある充電所を探したが不通で2時間待った」として「最も辛いのはインフラ不足よりも予測の可能性があまりにも低くなるということ」と話した。

「不便さを甘受し、小型車を中大型車の価格で買って動かす」。

現在の韓国で電気自動車を利用するために必要な姿勢だ。キムさんのような苦労話は約5700人(昨年末基準)の国内の電気自動車の所有主にとっては日常だ。電気自動車は同級の内燃車よりも高い代わりに燃料費が安く、騒音もなく公害も誘発しないという長所がある。だが侮れない犠牲が伴う。


先月31日(現地時間)イーロン・マスク(45)テスラ最高経営責任者(CEO)は「基本形のモデル3を3万5000ドル(約4000万ウォン)で売る」と発表した。マスクの20分間のプレゼンテーション1つだけで予約注文が今までに最も多く売れた電気自動車である日産リーフの記録(2010年から累積販売量20万2000台)をたった2日で超えた。現在までに予約注文は40万台に達する。スティーブ・ジョブズがスマートフォン分野で見せた「iPhoneショック」と比較する価値はある。

テスラ熱風は電気自動車の不毛地帯である韓国にも届いた。革新のアイコンであるテスラを小型車価格(補助金考慮)で享受できるという期待が韓国アーリーアダプターたちの心に触れたのだ。テスラのモデル3は停止状態から時速100キロに達するまで6秒に過ぎないというスポーツカーに劣らぬ走行性能、テスラ独特のデザイン、圧倒的な1回の完全充電時の最大走行距離(346キロ)など目を引く要素をあまねく備えた。その一方で価格は国産の電気自動車である現代車「アイオニッククエレクトリック(4260万ウォン)」、ルノーサムスン車「SM3 ZE(4190万ウォン)」と類似している。(中央SUNDAY第476号)



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