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韓経:【コラム】企業変身のゴールデンタイム=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
1890年代の米人口調査局職員ハーマン・ホレリスは情報技術(IT)産業発展史を話す時に欠かせない1人だ。彼が考案したパンチカードを活用した機械式自動計算機のおかげで7~8年かかっていた米国の人口センサスの作業時間が1年に短縮された。ホレリスはその後会社を設立したが、1911年に他の2つの会社を合併してCTRカンパニーと名前を変え、「インターナショナル・ビジネス・マシン・コーポレーション」と社名を再び変更した。今年創立105周年を迎えたIBMの初期歴史だ。

IBMは韓国でも最も古いIT企業だ。1967年に経済企画院調査統計局が人口センサスのために韓国で最初のコンピュータ「IBM1401」を導入したのを契機に韓国に進出した。その後韓国IBMは韓国のIT業界の「人材士官学校」の役割を担ってきた。

そんなIBMがこのところぐらついている。米国本社を含んだIBMの売り上げは15四半期連続で減少し、韓国IBMの昨年の売り上げは15年来の最低水準に落ちた。IT環境の変化に適切に対応できなかったのが業績不振の最大の理由に選ばれる。IBMはクラウドサービス市場の浮上でソフトウェアやメインフレームコンピュータのような自社の主力事業が打撃を受けることになるとクラウド市場に目を向けたが、すでにアマゾンやマイクロソフトなどに先取りされ苦戦している。


IBMのように既存の主力事業に執着しタイミングを逃して危機に陥る事例は企業興亡史でテジャブのように繰り返されている。「ゲーム王国」任天堂はモバイル市場を軽視して6年で売り上げの70%を失った。ノキア、モトローラ、シャープなどもスマートフォン市場とデジタル転換をためらっているうちにすべて他の企業に売却され、ブラックベリーもやはりスマートフォンの基本ソフト(OS)競争にしっかりと対応できず生き残りを心配しなければならない状況にまで追いやられている。

企業が市場の流れで「タイミング」を逃す理由は大きく2種類だ。新たなものに対する恐れとともに既存のものに対する未練のためだ。成功した企業は客観性を失い、自身の判断と市場の希望を同一視する自己満足に陥りやすい。この点をはっきりと指摘した人が世界的なマーケティング戦略家のアル・ライズだ。

彼はマーケットの教科書とされる『ブランディング22の法則』でマーケティングの世界で最高の製品はなく、消費者の記憶の中にある「認識」が存在するだけだといった。一流企業であるほど自分の会社製品が最高であり、結局最高の製品が勝利するだろうという信念を持つことになるが、これは幻想ということだ。「最高の製品」は客観的事実ではなく消費者の心の中に存在する心理的実在であるためだ。一度心が離れた消費者にどれだけ製品の優秀性を強調しても取り戻すのが容易でない理由がここにある。

先週末韓国を訪れたゼネラルエレクトリックのジェフリー・イメルト会長は「企業の立場で最もやりにくいが必ずしなければならないことは過去に学んだことを下ろすこと」と話した。そうした後にはどのようにすべきか。日本で変わり者経営者と呼ばれるダイソー創業者の矢野博丈会長の言葉にヒントがあるように見える。「21世紀にはこうすれば良い、ああすれば良いというものがない。販売者が頭を回転させ計画を組み予想をしてもその通りになることはほとんどない。われわれはただお客の顔色をうかがいながら絶えず変化を試みるだけだ」。

ユン・ソンミンIT科学部長



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