5月7日、ソウル芸術の殿堂でリサイタルを行うロシアのピアニスト、ボリス・ベレゾフスキー氏。(写真=マストメディア)
一定の技術を持つピアニストは一つの協奏曲を1回の公演で3~5曲ずつ演奏する。ベートーベンのピアノ協奏曲5曲(2003)、ラフマニノフの協奏曲3曲(2006)、ベートーベンのピアノ協奏曲第2番・リストのピアノ協奏曲第2番・ラフマニノフのピアノ教則曲第3番(2011)を一日で演奏した。
5月7日、ソウル芸術の殿堂コンサートホールで6年ぶりのリサイタルを行うことになったベレゾフスキー氏に電子メールインタビューを行った。「愚かな挑戦だったかもしれないが舞台だったので可能だったし楽しかった」とし「韓国を再び訪れることになり楽しみだ」と話した。
今回の公演ではバルトークのピアノソナタSz.80、グリーグ「叙情小曲集」、スカルラッティのピアノソナタなどを演奏する。公演の最初と最後に難曲を、中間にあまり技巧を必要としない曲を配置してバランスを取った。演奏会の主題は「民俗音楽」だ。「バルトークはもちろん、スカルラッティのソナタも民俗音楽に近いと考えます。幼い時から演奏して聴衆として聞いてきた、馴染み深く自然な作品です。作品ごとに宿っている昔話に耳を傾けてほしいと思います」
ベレゾフスキー氏は1988年、英ロンドンのウィグモア・ホールで「目を見張るほどの力を持つ、未来が約束されたピアニスト」という好評とともにデビューした。2年後、1990年チャイコフスキー国際コンクールで優勝した。舞台で途方もないスケールと熱気を発散して「怪力のロシア人(The Mighty Russian)」というニックネームを得た。
2009年にラフマニノフ、ショパン、ブラームスの協奏曲を演奏した時はピアノ線が切れた。ベレゾフスキー氏は「1年に一度あるかないかの出来事」としながら大きな意味はないとしたが、彼が来るたびに調律師は緊張する。
ベレゾフスキー氏の怪力はどこからくるだろうか。ベレゾフスキー氏は「魔術のような力を持った舞台」が秘訣といった。一旦舞台に立つと音楽が自分を導いてくれるという。
「音楽は麻薬のようです。演奏を始めるとますます陶酔します。公演が終わるころには絶頂に達します。興奮を沈めて本当に現実に戻るためには冷たいビールが必要です」。ベレゾフスキー氏はまた、若手演奏者に「コンクールが一つの道になるかもしれないが、それが唯一の道ではない」という助言も付け加えた。
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