北朝鮮が国際社会の対北朝鮮制裁に対抗し、中国との境界地域に鉄条網を新しく設置するなど国境取り締まりを強化している。

米国の対北朝鮮人権団体「ノーチェーン（Ｎｏ　Ｃｈａｉｎ）」によると、北朝鮮当局は最近、咸鏡北道会寧郡（フェリョングン）にあった２２号政治犯収容所の鉄柵を咸鏡北道（ハムギョンブクド）穏城郡（オンソングン）・セビョル郡など朝中国境地域に移した。鉄柵移設作業は先月３日に国連が対北朝鮮制裁２２７０号を採択した直後に進行されたという。制裁長期化による経済難で脱北行列が続くのを防ぐための措置という観測が出ている。労働新聞は先月２８日、「草の根をかじる苦難の行軍をまたする可能性もある」と言及した。

北朝鮮収容所の鉄柵は収監者の脱出を防ぐために２重・３重で作られ、有刺鉄線が巻かれているのが特徴だ。電気鉄条網が設置されている収容所もあるが、今回移設された鉄柵に電気鉄条網が含まれているかどうかは確認されていない。


北朝鮮当局が最近、朝中国境地域の警備強化を通じて住民の離脱防止に注力していると、韓国政府は把握している。政府当局者は「今年に入って朝中境界地域の国境警備隊が大々的に入れ替わった事例もある」とし「住民と国境警備隊の癒着を防ぐため」と話した。

ノーチェーンによると、北朝鮮当局は鉄柵を移しながら住民に対し「中国の侵攻を防ぐための措置」という噂を流したという。対北朝鮮強硬基調を維持する中国に対する敵がい心鼓吹作業も進めていると見ることができる。２２号政治犯収容所は２０１２年に閉鎖され、該当敷地は協同農場として使用されていると把握される。２万人以上の収監者は１４号（价川）、１５号（燿徳）収容所などに分散移監された。