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ソウル大、ノーベル賞級学者を招聘したが…正規講義「ゼロ」(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「ノーベル賞受賞者を迎えるといって大々的に始めたが、今はその意味が色あせてしまっている。1年のうち韓国にいる期間は2カ月余りにすぎず、講義も引き受けず、学生はもちろん教授とも会うことがほとんどない」。

ソウル大が2012年から始めた「ノーベル賞級大学者招聘事業」について、ソウル大自然科学大学のある教授は3日、このように話した。ノーベル賞受賞者というタイトルを借りてくるだけで、研究環境づくりなど長期的な細かい計画が不足し、成果を出すことができず、対外広報用事業になっているという意味だ。一部の教授は「莫大な予算を投入してノーベル賞受賞者を招聘しておきながら事実上放置している」と指摘する。

現在ソウル大に在職中のノーベル賞級学者は2004年にノーベル化学賞を受賞したアーロン・チェハノバ医学科客員教授など計6人。この中には「ノーベル賞に最も近い韓国人」という評価を受ける2008年の湖巌賞受賞者キム・フィリップ物理・天文学部客員教授も含まれている。ナノ素材グラフェン研究分野の権威者であるキム・フィリップ教授は2013年3月にソウル大に招聘されたが、これまで正規授業はなく1学期に1回だけ特講している。今年のキム教授の研究・授業計画に関し、ソウル大の関係者は3日、「今学期も正規授業を引き受けていない」とだけ答えた。


他の学者も状況は似ている。ソウル大が現在6人の学者に支給する研究支援費とその他の運営費(国内滞在費・航空料など)などは年間30億ウォン水準だ。しかし2016年度1学期基準で正規講義を引き受けた教授は1人もいない。

ソウル大の碩学招聘事業は最初から問題があった。ソウル大が法人化後、最初に招聘した学者はトーマス・サージャント米ニューヨーク大客員教授だ。サージャント教授は2011年にノーベル経済学賞を受賞した。ソウル大は2012年9月、研究支援費8億ウォンにその他の運営費2億ウォンなど毎年15億ウォン(約1億5000万円)を支給する条件でサージャント教授を迎えた。しかし破格的な条件にもかかわらずサージャント教授はソウル大教授として2年間在職するという契約を破り、1年でソウル大を離れて米国に戻った。

ソウル大がサージャント教授の能力と名声を十分に活用できなかった責任が大きいという指摘が提起された背景だ。ソウル大が昨年、「共に民主党」の禹元植(ウ・ウォンシク)議員室に提出した資料によると、サージャント教授の「マクロ経済学特殊研究」授業には定員50人に対して14人だけが受講を申請し、「マクロ経済学特講」には定員250人に21人しか申請しなかった。



ソウル大、ノーベル賞級学者を招聘したが…正規講義「ゼロ」(2)

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