チェルノブイリ事故を取材したドキュメンタリー『Voices from Chernobyl : The Oral History of a Nuclear Disaster』(右)とその韓国語版である『チェルノブイリの声』(左)の表紙
「記者は足で書かなくてはならない」という先輩方の古典的な訓戒が実感を持って感じられる瞬間だ。(記事書きが下手という意味の「足記者」ではない!)足で書かれた記事が偉大に拡張進化したケースが今、私の本立てに収められている。福島原発事故から5年目を迎えて改めて手にとった『チェルノブイリの声』(邦題は『チェルノブイリの祈り-未来の物語』)。ノーベル文学賞を授賞したベラルーシのジャーナリスト、アレクシエービッチの作品だ。著者は「新しい顔をした」災難について、10年かけて100人以上の人々をインタビューして彼らの声を本にまとめた。保護服もないまま原発事故現場に投入された夫が息を引き取った時、看病の代償として自らの健康とお腹の中の子供を失った女性。第2次世界大戦を耐え抜いた経験が自身を守ってくれると信じたが、目に見えず理解できない災難に無力感を感じるという学者など。
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