今後、海外にある北朝鮮飲食店への出入りが制限される。また他国の船舶を装った北朝鮮船舶に対する規制が大幅に強化される。

韓国政府は５・２４制裁措置を大幅に強化する内容の自国の対北朝鮮制裁案を８日午後に発表する予定だと、複数の政府当局者が伝えた。制裁案に関与した当局者は「国民が海外にある北の飲食店に行くのを防ぐための措置を独自制裁案に盛り込む予定」とし「北の食堂で使うお金も北の政府に流れる資金源の一つであるため」と述べた。この当局者は具体的な制限案について「５・２４措置の『北の住民との接触制限』条項を強化する文言が新たに含まれるだろう」と説明した。

２０１０年３月２６日の韓国哨戒艦「天安」爆沈事件への対応として同年５月２４日に発表された５・２４措置には、北朝鮮船舶の南側海域運航および入港禁止、南北貿易および物品搬出入禁止、韓国国民の北朝鮮訪問不許可および北朝鮮住民との接触制限－－などが含まれている。


また独自の制裁案では、第３国国籍だが実質的には北朝鮮所有である便宜置籍船の取り締まりを強化し、取り締まり対象も増やす。政府消息筋は「大量破壊兵器拡散防止構想（ＰＳＩ）は大量破壊兵器（ＷＭＤ）の積載が疑われる船舶を海上で検査できるようにしているが、これを北の船舶に適用することを検討中」と述べた。８日午後３時に李錫駿（イ・ソクジュン）国務調整室長が発表する制裁案にはこのほか▼北朝鮮経由の第３国船舶の入港禁止▼北朝鮮との金融取引を包括的に禁止する金融制裁－－などが盛り込まれる。

ただ、海外の北朝鮮勤労者が稼ぐ資金の制裁は除外された。ある当局者は「この資金が北の統治資金として使われると判断しているが、大量破壊兵器の開発と直結することを立証するのが容易でなく、労働の対価として受けた賃金を本国に送ることを規制する根拠が微弱であるため」と説明した。

朴槿恵（パク・クネ）大統領は７日、「国連加盟国が（対北制裁）決議を確実に履行するよう緊密に協調し、二者・多者的レベルの追加制裁のために努力を続けてほしい」とし「追加で挑発すれば応分の代価を支払わせるという点を北に明確に示すことを願う」と強調した。