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大宇造船の野心作「海上のLNG工場」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

今月4日、慶尚南道巨済の玉浦造船所で世界初となるFLNGの命名式が行われた。左側からTechnip社(船舶上部構造設計)のThierry Pilenko会長、ペトロナス社のWan Zulkiflee Wan Ariffin会長、ペトロナス会長夫人のAzura Ahmad Tajuddin氏、大宇造船海洋の鄭聖立社長、鄭社長の夫人であるホ・ギョンスク氏。(写真=大宇造船海洋)

4日午前、慶尚南道巨済(キョンサンナムド・コジェ)の玉浦(オクポ)造船所の入口を通過して車で5分ほど走ると、遠くからLNG(液化天然ガス)プラントが見えた。これは巨大な工場であると同時に船でもある。一人の女性が高く振り上げた斧で船とつながっていた綱を切ると、船首に刻まれた「PFLNG SATU」という文字が姿を表わした。雄壮な音楽とともに大きな花篭が開き、カラフルな花粉が飛んだ。4年間苦労を共にした現場作業者らの顔には笑顔が浮かんだ。

大宇造船海洋が世界で初めてFLNG(浮揚式液化天然ガス生産・保存・荷役設備)の商用化に成功した。FLNGは液化天然ガスの生産・保存・荷役が可能な設備を海上に浮かべた新概念の海洋プラントだ。深海にある天然ガスを採掘した後に精製して液体として保存し、これを陸地に移す過程まですべて海上で行うことができる。以前まではガス田から長いパイプラインを設置し、ガスを陸地に送って陸上で液化および保存段階を経ていた。

大宇造船海洋は2012年6月、マレーシアの国営石油会社ペトロナス社からの受注を受けて開発を始めた。受注金額だけで8億ドル(約910億円)に達する高付加価値プロジェクトだ。この日の命名式には大宇造船海洋の鄭聖立(チョン・ソンリプ)社長、ペトロナス社のWan Zulkiflee Wan Ariffin会長など100人余りが参加した。綱を切ったのはAriffin会長夫人のAzura Ahmad Tajuddin氏だ。つけられた名前は「PFLNG SATU」、「ペトロナスの最初のFLNG」という意味だ。SATUはマレーシア語で1を意味する。


PFLNG 1は雄壮な規模を誇っている。全長が365メートル、全幅は60メートルでエッフェル塔を横にしたものよりも長い。面積はサッカー場3.6倍に達する。年間12万立方メートルの天然ガスを精製して荷役することができる。船内には一度に最大18万立方メートルまで保存できるが、これは大韓民国全体の国民が1日中使用できる量に相当する。

世界で初めて試みられるプロジェクトということで多くの困難を克服しなければならなかった。自他共に認める大宇造船海洋のLNG船舶製造技術を総網羅した。さまざまな作業を一つの空間で進める設備なので、部分別の技術が衝突しないようにするために多くの工夫が凝らされた。船体を進水(船舶を建造後、初めて海に出すこと)させるだけで25カ月かかった。LNGを精製する上部構造物はフランスのエンジニアリング会社Technip社と協業しておよそ1年間の努力の末に設置した。

最近、大宇造船海洋は海洋プラント部門の不振で危機に直面している。昨年だけで5兆ウォン(約4700億円)を越える営業損失を記録した。しかし、希望がないわけではない。世界最高水準のLNG船舶製造を通じて活路を模索している。これまで148隻のLNG船を受注して97隻を引き渡した。液化天然ガスは石油や石炭に比べてエコ燃料に分類されていることからその需要は増加していて、大宇造船海洋のLNG関連事業にもはずみがついている。

鄭社長は「FLNGは高い技術力を持つLNG船分野と、これまで不振だった海洋プラント分野の技術を結合させた新しい事業で、既存にはなかった道を切り開くことができるようになった」と話した。



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