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【コラム】勝者の呪いに陥った韓国造船産業(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
世界1位として韓国の経済産業の自慢の種だった造船業が最近、危機に陥った。中小・中堅の造船企業が構造調整の危機に置かれ、世界の造船業先頭圏の大企業も相次ぎ大規模赤字を出している。

造船業の不振は、一次的には世界的な造船産業の景気低迷に起因している。世界経済と交易の成長の勢いの鈍化によって需要が萎縮した状況で、グローバル金融危機以前の景気加熱で投機的に発注された船舶の就航によって造船産業が供給過剰の停滞局面に入ったのだ。

しかし造船産業の不良の原因を景気サイクルだけのせいにできないのが現実だ。世界最高レベルの技術力をもとに市場を先導している国内の造船企業が不健全化した裏側には、景気鈍化にともなう競争激化の状況で「勝者の呪い(winner‘s curse)」に陥ったことが重要な要因として作用した。


勝者の呪いは、米国の行動経済学者であるリチャード・ターレル(Richard Thaler)が作った概念だ。事業の不確実性が存在する公開競争入札市場において最終落札者が事業に必要な費用よりも低い価格で契約することになり、受注競争で勝利したにもかかわらず結果的には損失をみることになるというのが要旨だ。

世界金融危機の後、造船産業の景気鈍化と競争が激化する中で韓国企業は世界市場における位置づけを守るために企業の死活をかけて船舶受注に乗り出し、その過程で低価格受注も辞さなかった。

一層残念なのは世界金融危機以後、原油価格の急騰にともなう海外資源開発ブームで発注が急増した海洋プラント事業の場合、国内造船3社〔現代(ヒョンデ)重工業・サムスン重工業・大宇(デウ)造船海洋〕が世界最高の競争力で市場を主導している状況だったが、国内企業間の非合理的な過当競争と低価格受注で勝者の呪いに陥ったという点だ。

それでは、こうした問題の解決方法は何か。勝者の呪いに陥る決定的な理由は、事業価値とリスクに対する正確な判断が不足していることだ。したがって企業は、発注事業に対する綿密な検討と慎重な意志決定が成り立つことができる事業受注と危険管理システムを構築しなければならない。



【コラム】勝者の呪いに陥った韓国造船産業(2)

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