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<開城工団全面中断>韓国政府、184人の安全帰還が最優先…北が拘束すれば対策なし

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
南北関係の最後の砦と見なされてきた開城(ケソン)工業団地が10日、稼働を中断した。統一部の当局者は「政府は開城工業団地の運営は情勢に影響を受けないよう最善を尽くしたが、北が最近招いた状況は度が過ぎるため、重病患者の酸素呼吸器を取り外す心情で決めた」と述べた。開城工業団地に滞留中の韓国国民の身辺安全問題、工業団地再開の見通しなどをQ&A方式で説明する。

Q=現地滞留者の安全な帰還は保障されるのか。

A=10日現在、工業団地にいる南側の滞留者は184人(管理職員2人含む)だ。政府は滞留者の早期安全帰還を最優先にすると明らかにした。しかし北朝鮮が滞留者を拘束する場合、これという対策はない状況だ。撤収は11日に始まる。当初、この日、工業団地を出入りする予定の人は1084人だったが、撤収の準備に必要な人だけをまず派遣することになった。全体124社のうち工業団地で生産活動をしながらも常駐者を一人も置いていない55社の関係者には、現地整理のための訪朝を認めることにした。政府は現地で生産した製品と高価設備を運ぶための案を北側と協議する方針だ。このため開城工業団地管理委員会の関係者がこの日、北朝鮮を訪問する。南側の滞留者と製品・原材料の撤収が終われば、韓電の電力供給中断も検討する。韓電は2013年、北朝鮮側が開城工業団地を閉鎖すると、工業団地内の管理棟・事務棟の電灯をつけ、浄水場を稼働する最小限の電力だけを供給した。電力供給が中断すれば、工業団地近隣のウォルゴ貯水池の稼働も中断する。ウォルゴ貯水池は開城工業団地の企業に工業用水と飲料水だけでなく、開城市の一部に生活用水を供給してきた。開城工業団地はもちろん開城の住民にも影響を与えるということだ。


Q=工業団地の稼働はいつどのように再開されるのか。

A=統一部は「全面的に北側の態度にかかっている」と述べた。統一部の当局者は「核と大量破壊兵器(WMD)開発に対する国際社会の憂慮が解消され(工業団地の)正常稼働の有利な条件を北が作れば…」とし「即刻の核廃棄が工業団地再稼働の前提条件だと言うことはできないが、常識的に納得できる水準にならなければいけない」と話した。政府の開城工業団地中断決定の過程に参加した当局者は「今の時点で工業団地再開問題に言及するのは不適切だ」とも語った。結局、工業団地の再稼働は北朝鮮が核・ミサイル開発のモラトリアムを宣言したり国際社会が納得するほどの措置を取った後に考慮するということだ。政府当局者は「開城工業団地を中断するのは容易だが、、再開には数倍の努力が必要になることはよく知っている」とし「しかし中断というカードを使う時は北の変化を期待する確固たる決心が作用した」と話した。

Q=2013年の工業団地稼働中断とは何が違うのか。

A=最も大きな違いは、今回は韓国政府が先に工業団地からの撤収を宣言したという点だ。2013年2月に北朝鮮が3回目の核実験をした後、南北の緊張局面が高まったが、開城工業団地は同年3月まで正常稼働した。しかし北朝鮮が「韓米軍事訓練および最高尊厳侮辱」など理由に同年4月、北側勤労者を全員撤収させた。韓国政府は対応措置として1カ月後、南側の関係者を全員撤収させた。

Q=米国・日本とは事前協議をしたのか。

A=外交部は「今回の措置については米国・中国・日本・ロシアなど周辺国に事前に伝え、こうした決定を出すしかなかった背景も説明した」と明らかにした。その間、国際社会で北朝鮮に対する多者間・二者間の高強度制裁案が議論される過程で、韓国政府が開城工業団地をどうするかが「強力かつ実効的な対北朝鮮措置」のバロメーターように受け入れられる雰囲気だった。統一部の当局者は「我々が先に『骨身を削る努力』で開城工業団地全面中断決定を下すことで、米国や日本だけでなく中国・ロシアにも強力なメッセージを送ったと見ることができる」と述べた。



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