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「家計負債危機ではない…金融・不動産資産は十分」=韓国(1)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
イ・チャンヨン国際通貨基金(IMF)アジア太平洋担当局長は、アジア太平洋地域を掌握する最高位の人だ。韓国だけでなく中国と日本も彼の管轄だ。イ局長は最近韓国が日本の“失われた20年”の前轍を踏むかもしれないとの指摘を多くしている。韓国としては聞きたくない苦言だ。21日に米ニューヨークでのコリアソサエティー座談会に参加したイ局長に会った。

――韓国経済が当面した最大の課題は。

「中長期的体質改善だ。既存の成長モデルが限界に達した。製造業と輸出だけでは高学歴青年失業問題などを解決しにくい。製造業輸出は続いているのに就業者はかなり前から減ってきている。韓国経済が製造業の発展を通じて雇用、所得、輸出の増大という3匹のウサギをすべて捕まえられる水準はすでに超えた。中長期的に成長潜在力をどのように維持するかが最も重要な問題だ」。


経済体質改善には構造改革が必然的だ。しかし韓国ではこれが難しい。韓国政府の改革政策は毎回国会で座礁している。世界が望ましい協力モデルに挙げてきた労使政委員会は崩壊直前だ。通貨危機によりIMFによる強制改革に遭ってから韓国の手で意味ある改革を成し遂げたのはどれだけあるのか。この問題で彼の「日本の失われた20年踏襲懸念」が出てくる。

「進むべき方向に対しては共感しながらも理念と利害関係の対立により重要な構造調整政策に対する政治的合意が全くなされないでいることが残念だ。それにより経済政策が構造転換よりも短期的浮揚策にばかり依存する悪循環が続いている。日本が1990年代のバブル経済崩壊後に政治力不在で意味のある構造改革をできず短期浮揚策にばかり頼り“失われた20年”を経験したことを反面教師としなければならない」。

イ局長は「韓国は討論は多くするのに折衝と妥協がなされず新たな改革を導入することができずにいる」と厳しい忠告を与えた。通貨危機直前に韓国経済にあふれた「言葉は多いが行動はない」という批判と同じ脈絡だ。韓国はその時結局「信頼の危機」に突き進んだ。

◇折衝と妥協できず潜在成長率下落

彼は急がれる構造改革として、教育・医療・法律などサービス分野の改革と環太平洋経済連携協定(TPP)加入などを挙げた。すべて利害関係が鋭く衝突する分野だ。しかしそうした対立を克服できなければ潜在成長率は下がり続けるほかないというのが彼の診断だ。(中央SUNDAY第463号)



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