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【社説】「韓日協定は違憲でない」という判決に安堵するべき状況

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
憲法裁判所が昨日、1965年に締結された「韓日請求権協定」が国民の財産権を保障する憲法に違反するかを問う2件の憲法訴願に対し、それぞれ却下と合憲決定をした。今回の憲法訴願は、強制徴用被害者の娘のイさんが2009年、政府が父の未収金を1円あたり2000ウォンで計算して支給することを決定すると、これを不服として行政訴訟を起こして始まった。個人の資格で日本政府・企業に賠償を請求する権利を国家間協定がむしろ阻んでいるため違憲だという主張だった。

憲法裁は韓日請求権協定第2条第1項が違憲かどうかを問う憲法訴願を却下した。この条項は「韓日両国と国民の財産権と請求権に関する問題が完全かつ最終的に解決されたことを確認する」という内容だ。また憲法裁は日本強制徴用被害者の未収金を1円あたり2000ウォンで計算して支給するという法規定は合憲だと決めた。

6年間ほど続いたこの憲法訴願で却下と合憲という決定が出たのは幸いだ。是非を論じる余地がある判決が出ていれば、国家間協定が源泉無効となる国際的な恥になるのはもちろん、より複雑な問題の出発点になるところだった。その間、韓国の司法府は似た数件の事例で納得しがたい判決を出し、韓日関係をさらに絡ませたのが事実だ。判決は国民感情には沿うものかもしれないが、国際的には深刻な疑心を招いた。「政府が慰安婦被害者請求権を解決するのに努力しないのは違憲」と判断した2011年の憲法裁の決定もそういうものだった。2012年には最高裁までが「日本の国家権力が関与した反人道的不法行為や植民支配に直結した不法行為による損害賠償請求権が請求権協定の適用対象に含まれたとは見なしがたい」と判決した。もちろんこうした判決は日本では全く受け入れられていない。


国家間協定の正当性をその時々の時流で再評価することはできない。1965年の協定を失効させれば、複雑で、我々にむしろ不利な問題が発生することもある。これは韓日関係を致命的葛藤に向かわせるのが明らかだ。韓日間には植民支配に対する包括的被害補償問題も存在したというが、解放前に韓国に居住したり経済活動をした日本人の私的財産問題も複雑に展開する可能性もある。日本は米軍政の日本人財産帰属処分が1907年のハーグ協定違反という主張を曲げていない。

簡単でない過去の問題を大衆の感情だけで処理すれば、韓日関係は取り返しのつかないことになる。今回の憲法裁判所の決定を最後に韓日の過去の問題がこれ以上新たな火種にならないことを望む。



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