ムーディーズの今回の韓国国債格上げは、米国の利上げによる国内経済衝撃を緩和するという分析が出ている。対外環境に脆弱な韓国経済に「防波堤」の役割をするという期待だ。

ムーディーズは韓国に対する格付けを過去最高に引き上げ、韓国経済は他の新興国と違ってファンダメンタルズが堅調だと説明した。企画財政部の関係者は「厳しい対外環境の中でも韓国が格上げされ、他の国と対外信用度ではっきりと差別化されることになった」と述べた。７－９月期に新興国から離脱した外国人資金３４０億ドルのうち最も多い１０９億ドルが韓国から抜けたが、今回の評価で国際金融市場の動きが変わるという分析だ。

韓国の外貨準備高は先月基準で３６８４億６０００万ドルと、過去最高水準。外貨準備高に対する短期外債比率（９月末基準）も３２．５％と低い方だ。崔ギョン煥（チェ・ギョンファン）副首相兼企画財政部長官も２０日、緊急記者会見を開き、「ムーディーズの格上げ決定は、米国の利下げなど不安要因の中で韓国経済を守る防御の壁のような役割をする」と述べた。


市場の反応も似ている。単に外国人資金の流出が鈍化しただけでなく、離脱資金の復帰や他の新興国投資資金の国内移転など、積極的な資金流入を期待する声も出ている。チョン・ドンヒュ信栄証券研究員は「予告された悪材料の米利上げが終わり、ウォン・ドル為替レートは安定する可能性が高い」とし「中東系の資金流出も今月末に終わり、外国人売り規模がしだいに減るだろう」と述べた。

慎重論もある。ＫＤＢ大宇証券のキム・ハクギュン投資戦略部長は「格付機関の措置は『後行的』、株式市場は『先行的』に動く場合が多いので、ムーディーズの今回の措置は外国人売りを弱める程度で終わるだろう」と予想した。