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【社説】メガFTAの浮上、いまが経済体質強化するタイミング=韓国

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
環太平洋経済連携協定(TPP)の協定文がこのほど公開された。米国、日本、オーストラリア、ニュージーランドなど12カ国が協定を妥結してから1カ月ぶりに内容が明らかになった。今回の協定文を見ると、メガ自由貿易協定(FTA)時代の到来を予告する。

これまで世界の貿易では相手国と結ぶ2国間FTAが大勢だった。それが次第に複数の国がひとつの枠組みの中で結ぶメガFTAにシフトしている。メガFTAはクモの巣のように張りめぐらされた構造のため参加国の利害関係を調整するのが容易でない。しかしひとたび合意に到れば規模が大きいため波及効果は相当なものになるほかない。特に会員国が高い水準の貿易自由化に同意したとすれば追加で加入しようとする国が抱えなければならない負担が大きくなることになる。

TPPと関連して韓国がこうした境遇になった。TPP協定文を見ると市場開放水準はFTAと同水準か高い。協定に参加した12カ国が最長30年にわたり品目数基準95~100%水準の関税撤廃に合意した。このうち機械、電機、電子分野では米国が日本に大多数の品目の関税を即時撤廃することにした。韓米FTAで米国が家電製品の関税を10年かけて撤廃することにしたのと比較すると韓国家電製品の対米輸出競争力は弱くなりかねない。


TPP加盟12カ国は「累積原産地認定制度」も導入し、すでにベトナムやマレーシアなどと分業生産体系を備えた日本が有利になった。米国の要請でTPP参加国が通貨政策共助に出ることにしたのも韓国には負担だ。協定文に反映されていないがTPP参加国は5日に通貨切り下げ競争を自制する内容の共同宣言を発表した。輸出競争力確保のために自国の通貨価値を人為的に下げる政策を禁止することにしたのだ。追加でTPPに加入するにはこの宣言を守らなければならない。

TPP会員国間の貿易規模は年間10兆1800億ドルに達する。こうした巨大な市場を韓国は眺めてばかりいることはできない。手をこまねいていれば長期的には韓国の輸出に障害ばかり多くなるのは明らかだ。韓国はTPP12カ国のうち日本とメキシコを除いた10カ国とFTAを締結しているが、その水準は不十分だ。2国間FTAの締結で韓国が恩恵をすでに受けていたり受けられる期間は今後2~3年にとどまる見通しだ。公開されたTPP協定文を見れば、環境、衛生検疫、知的財産権部門などは韓米FTAより先を進んでいるとの評価を受けている。今後TPPのようなメガFTAが21世紀の通商貿易規範を主導すると予想される。さまざまな面で韓国はTPPを避けることはできない状況に置かれた。中国の顔色をうかがってTPP始動段階で手を引いた韓国政府はいまになって加入の意思を明らかにした。タイミングは逃したがいまからでも精巧な加入戦略を立てなければならない。韓国は中国主導のメガFTAである東アジア地域包括的経済連携(RCEP)には参加し交渉を行っている。TPPとRCEPのバランスを維持して最大限の実利を確保しなければならない。

忘れてはならない点は、メガFTAを締結したからと韓国の競争力が自然に良くなったりはしないということだ。結局は韓国企業が革新的な製品やサービスを開発し世界市場でリードしなければならない。新しい通商貿易パラダイムが浮上するいまが韓国の産業構造を改革し経済体質を強化する適期だ。(中央SUNDAY第452号)





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