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貿易障壁を崩したTPP、為替操作禁止で通貨政策も協調

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
環太平洋経済連携協定(TPP)に為替操作禁止が含まれたことが分かった。ブルームバーグ通信は6日(現地時間)、「米国とTPPに参加する11カ国が為替操作をしないことで合意した」と報じた。フィナンシャルタイムズ(FT)も交渉に詳しい消息筋を引用し、「各国が競争的な通貨切り下げをしないことで意見をまとめた」と伝えた。

為替操作禁止はTPP交渉で終始イシューとなっていた。米国の産業界と議会が強く要求した。外国企業の低価格攻勢の背景に通貨切り下げがあると見ているからだ。例えば円安を背にした日本自動車を牽制しようという米国自動車企業がそのようなケースだ。

為替レートは各国の通貨政策の核心カードだ。為替市場に対する政府の介入は「隠れた手」だ。多くの国が外国為替市場で為替レートが急騰落すれば介入する。いわゆる微細調整と呼ばれる「スムージングオペレーション(smoothing operation)」だ。一部の国は輸出競争力を高めるため自国の通貨を堂々と落としたりもする。日本のアベノミクスも例外でない。為替市場への介入は程度の差があるだけだ。このため為替レート政策を含むことになればTPP妥結が難しいという観測が多かった。しかしこの部分に対する米国の立場は強硬であり、結局、相当部分が貫徹された。


為替操作禁止は協定条項に明示されないとみられる。FTは「TPPの公式的な部分ではないようだ」と予想した。しかし「(為替操作に対する)高い基準とともに定期的な別途協議条項が含まれるだろう」という見方を示した。

オバマ米大統領がこの部分をより具体的に説明した。オバマ大統領はこの日、あるラジオ放送のインタビューで、「(TPP参加国が)為替操作をどう測定し、何が為替操作かに対する原則を設けた」と述べた。

ここまではある程度予想できるレベルだ。ブルームバーグ通信はより進展した内容を伝えた。新興国が為替操作をしない代わりに米連邦準備制度理事会(FRB)の通貨政策に関する情報提供を望むということだ。ベトナムやマレーシアなど輸出依存型の新興国が強くこうした主張をした。

新興国の立場ではFRBが利上げすることになれば外国資本が離脱し、為替レートが揺れる状況を迎えるため、ある程度の市場介入は避けられないからだ。FRBの内心を知ってこそ為替操作と見なされるほどの行動をしなくて済むという論理だ。米国は新興国の疑問を解消する協議チャネルを設置する側に立場を整理したというのが、ブルームバーグの分析だ。

ピーターソン国際経済研究所のゲーリー・ハフバウアー研究員はブルームバーグに「FRBの政策に対する参加国の質問は財務部を通じて選り分けられるだろう」とし「FRBの政策が妥協することはない」と述べた。しかしこの場合、TPP参加国がFRBの立場と悩みについて深い情報を得ることになる。非参加国とは一種の情報非対称が発生する。参加国はこれを基づいて通貨政策を決めることができる。たとえ他の通貨を使うとしても、大きな枠で政策協調する緩い形態の通貨同盟に進化する基盤を備えるということだ。

為替操作禁止と米国との通貨政策協調には中国に対する強力な牽制メッセージが込められている。米国との対等な大国関係を望む中国としては受け入れがたい内容だ。ニューヨークタイムズは「米国の同盟国はTPPを中国に対する牽制と見ている」と表現した。

◆スムージングオペレーション(Smoothing Operation)=為替市場で需要と供給に基づいて決定されるのが自由変動為替レート制度だ。しかし為替市場に投機勢力が流入するなど第3の変数によって為替レートが急激に騰落することがある。この場合、政府が為替市場に人為的に介入して為替レートを安定させることをいう。



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