米経済専門誌フォーブスは毎年９月、米国の長者番付を発表する。ここでトップに劣らず大衆の関心を集めるのは最も速いペースで財産を増やした人物だ。その人がどのように稼いだかをみると、最近最も成長が速い分野が分かるからだ。今年の同部門トップはわずか１年で財産を２倍に増やしたＵｂｅｒの創立者トラビス・カラニックだ。カラニックの財産は６０億ドル。２０１３年に１０億ドルと評価されたＵｂｅｒの企業価値も２年後の今年は５１０億ドルに増えた。

カラニックの競争力は何か。返答は意外だった。カラニックは「２０年以上も企業家として過ごし、長く失敗してきたため」と語った。カラニックは「Ｕｂｅｒを設立する前、一日に１００人に電話で営業をすれば１００人全員から『ノー』という返答を聞いたこともある。しかしあきらめず、失敗から学ぼうと努力した」と語った。


カラニックは１９７６年、米ロサンゼルスでスラブ系エンジニアの父、ユダヤ人の母の間に生まれた。ユダヤ人は母系でアイデンティティーを区分するためカラニックはユダヤ人に分類される。カラニックは１８歳の時、韓国人と一緒に塾を始めた。カリフォルニア州立大ＬＡキャンパス（ＵＣＬＡ）在学時代（コンピューター工学専攻）の９７年には同じ学科の友人とＰ２Ｐ（多者間ファイル共有）会社を創業し、翌年には退学した。


しかしこの会社はいくつかの放送局と映画会社から２５００億ドルという天文学的な規模の著作権訴訟を起こされ、閉鎖した。カラニックは「廃業後はすることがなく、一日に１４時間もベッドで横になったりもした」と話した。しかしカラニックは放送局と映画会社が合法的に資料を共有できるようサポートする会社を作った。同じ業種に再挑戦したのだ。カラニックは２００７年、その会社を２３００万ドルで売却し、百万長者になった。その後、シリコンバレーで創業メントとして活動していたカラニックは２００９年、「すべての人のための個人運転手」を目標にしたＵｂｅｒを創業し、翌年６月にサンフランシスコで初めてサービスを始めた。２０１５年現在、世界３００都市に進出した。



＜世界革新企業家、未来５０年を語る＞（７）カラニックＵｂｅｒ創業者…不屈の人生榁下）