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【噴水台】フォルクスワーゲン事件の後遺症=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
19世紀末に英国で偽物問題がふくらんだ。欧州のある後進国で英国製と偽装した偽物があふれたためだ。製造国を書かせるようにした商標法が制定されたが効果はなかった。包装には原産地を書いても商品には英国製と書くことが多かった。組み立てだけ英国で行ない「Made in England」と言い張るのが常だった。このずうずうしい偽物王国はほかでもないドイツだった。

産業革命の旗手である英国は優れた技術力を基にベントレー、ジャガー、ロールスロイスなど名車を生み出した。フォルクスワーゲン神話も英国なしでは不可能だった。第2次世界大戦終戦後に灰となったドイツの軍用車工場をまとめてカブトムシ車「ビートル」を生産したのも英国軍だった。

米国のカーレース大会「ナスカー」に国産車だけ出場できる制限規定ができたのも英国車のためだった。1954年の大会でジャガーが1位、4位、5位、6位をさらったのだ。


こうした英国車は70年代以降に突然絶滅する。やぼったいデザインへのこだわりなど判断の誤りも多かった。片田舎に工場を建てたため組み立てられる熟練工が不足し、新しい車を買ってもすぐに直さなければならないほどだった。だが、決定打は慢性的な労働争議だった。なにかにつけストを打たれ、メーカーには10個余りの労組が乱立した。

ゼネラルモーターズ(GM)、フォード、クライスラーの米国ビッグスリーが没落した背景も似ている。労組の圧力で100億ドルを超える退職者の医療保険料と年金まで一生払わなければならなかった。車1台当たり1500ドルの原価が追加される格好だった。だから日本車・欧州車をやり込められるわけがなかった。

最近起きたフォルクスワーゲン事件は韓国経済に得になることができる。実際に先月の現代・起亜自動車の米国内販売が過去最高の17.8%も増えたという。だが、副作用も激しいだろう。現代・起亜自動車の韓国市場シェアは64%。このように特定自動車メーカーの割合が高い国は韓国しかない。

しかもこの会社は平均年俸9000万ウォンを超える現代自動車労組に振り回されている。同じ現代自動車工場でも1台当たり生産時間は米国が15.4時間、韓国が30.5時間だ。これに対し時間当たり賃金は米国が39ドル、韓国が40ドルだ。韓国の生産性はひどい状況という話だ。それでも労組は基本給7.84%引き上げに定年65歳延長を主張する。要求が受け入れられず、秋夕(チュソク)前3日間にストを行ない2000億ウォンの損害を出した。

まだ国民の相当数は国産品愛用という強迫感に押さえつけられている。だが、いくら国産車でも適正価格でなければ売れなくなるのは当然な道理だ。フォルクスワーゲン問題で独占被害を減らした輸入車の純機能まで減らないか心配だ。

ナム・ジョンホ論説委員





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