フォルクスワーゲンの地方ショールームで働く営業社員のキムさん（３３）は秋夕（チュソク）を控え１日中顧客からの問い合わせ電話を受け脂汗をかいた。「米国で排出ガス不正があったというが私が契約した車にも問題があるのではないか」「突然本社で販売を中断すれば責任を負うのか」という問い合わせが多かった。出庫直前で契約を解約したケースだけで１０件を超えた。

キムさんが「排出ガス不正は性能・安全と直結した事案ではない。韓国車がこれに該当するのかも見守らなければならない」と説明しても手のつけられない状態だった。メディアの報道内容を読みながら問い詰める顧客もいた。ある顧客は「（メディアの報道にもかかわらず）フォルクスワーゲンの車を買うのだから追加割引やオプションをよこせ」と要求した。キムさんは「通常は秋夕前後に新車契約が集中するが、今年の秋夕は新車契約の問い合わせは珍しく、解約率だけで２０％に達した」と話した。

やはり排出ガス不正波紋に襲われたアウディも戦々恐々としている。江南（カンナム）のあるアウディショールームの営業社員イさん（３６）は「不正対象ではない他のモデルまで問題を提起する顧客からの電話を受けた。下半期の販売がさらに落ち込まないか懸念される」と話した。外信で燃費不正疑惑が提起されたメルセデスベンツも事情は同様だ。ベンツ「Ｃクラス」を買おうとしていたホ・スンジンさん（３２）は「フォルクスワーゲンだけでなく他のドイツ車ブランドも相次いで疑惑が起きており購入を迷っている」と明らかにした。ＳＫエンカー長漢坪（チャンハンピョン）支店のチョン・ジェウン支店長は「ドイツブランドの中古車を買えば後で適正な価格で売れるかとの問い合わせが増えている」と話した。

「私のワーゲンに問題はないか」出庫直前の契約解約相次ぐ＝韓国（２）