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【グローバルアイ】日本で台風になった『茶色の朝』の警告

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
年初には2015年の日本がこれほど揺れ動くとは予想できなかった。日本の国会議事堂をデモ隊12万人が取り囲むとは想像できなかった。ベビーカーを押して出てきた若い主婦が「誰の子も死なせることはできない」として「戦争法案廃棄」を叫ぶこともだ。昨年12月、国家機密漏洩時は最高懲役10年に処する特定秘密保護法が施行された時のように、反対デモが一度行われた後はまた静かになると思われた。あたかも湯飲み茶碗の中の台風のように。

年初に日本で関心を集めた本がある。1998年にフランスの小説家フランク・パブロフが出した『茶色の朝』だ。安倍政権が国家安保を理由に各種情報の秘密指定期間を最長60年とする秘密保護法を施行すると、うわさが広まって売れた。

『茶色の朝』に登場する政府は「茶色法」を作る。猫があまりにも多いため茶色でなければすべて除去するよう命令する。科学者は茶色の猫が都市で生きるのに適しているという実験結果を発表した。当惑していた市民がまもなく順応すると、犬も茶色だけを残すよう指示が出る。茶色新聞や茶色本など国全体がすべて茶色に染まる。主人公は「初めて茶色法が作られた時、『これはいけない』と話すべきだった」と後悔する。


今年、日本は「安倍単色」に染まった。安倍首相は安保法を作った。国民の命と平和な生活を守るために必要だと述べた。今月初めの自民党総裁選では7つの派閥全体の支持を引き出し、任期を3年延長した。「派閥の暗黙的な同意で総裁を選ぶのは国民に対する礼儀でない。無投票はいけない」として反旗を翻した野田聖子前総務会長は党内外の激しい圧力に苦しんだ。候補登録に必要な推薦人20人も確保できず断念した。自民党の若手議員は6月、「メディアをこらしめるためには広告収入を減らすのが第一だ」「政権に悪影響を与えるプログラムリストを発表すべきだ」とし、安倍首相に忠誠を誓うように言論統制発言をし、物議をかもした。

しかし日本国民は抵抗する力も意志もなかった『茶色の朝』の市民とは違った。昨年、東京の首相官邸前で秘密保護法反対デモを行った後に解散した大学生団体「特定秘密保護法に反対する学生有志の会(SASPL)」が「自由と民主主義のための学生緊急行動(SEALDs)」という名でまた国会の前でデモを主導した。主婦は息子を、高齢者は孫を戦場に送ることはできないとして「反安倍」デモに参加した。

安倍政権は「戦争反対」の叫びに耳をふさいだ。そして今は憲法9条(平和憲法)の改正を急ぐ態勢だ。19日、日本の国会前。会社員A(50)は「言葉のない多数が声を高め始めた。法は成立したが、今からが本当の戦い」と語った。茶色の朝の警告が沈黙の湯飲み茶碗を破り、超大型台風として日本列島を襲う兆しを見せている。

イ・ジョンホン東京特派員



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