保坂祐二(世宗大学教授、政治学)(写真-中央日報DB)
産経は、「朝鮮には朴大統領のような女性の権力者がいた。閔妃の勢力はロシア軍の支援で権力を奪還したが、3カ月後に閔妃は暗殺された」と主張し、まるで朴大統領の身辺が今後、危険になることを望むような記事を載せた。産経が朴大統領を暗殺する刺客を送るとでも言いたいのかと思わせる書き方である。産経新聞の前ソウル支局長に対する韓国での起訴事件で、産経は完全に理性を失った様子と見える。韓国に関して、まるで論説委員がその精神状態を疑わざるを得ないような論評を載せることが多くなっている。数ヶ月前には、韓国はイスラム国と同じ、というこれもまた妄想に取り付かれたような非理性的論評を載せている。加藤前ソウル支局長が有罪にならないように、韓国政府を恫喝している格好だ。
しかし恫喝的な論説が効を奏するとでも考えているのなら、産経新聞は言論機関として失格であろう。これに対して、韓国の与野党は一斉に産経を批判した。与党セヌリ党は「産経新聞の妄言は日本の極右主義の恥ずかしい自画像」と指摘し、新政治民主連合も「朴大統領が中国の戦勝節に出席することを『事大主義』として問題視するのはむしろ、日本の米国に対する事大主義を浮き彫りにするものだ」と批判した。