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【社説】南北、危機を機会にする知恵を見せる時

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
韓半島の軍事的緊張が最高潮に達した22日、南北高官が電撃的に板門店(パンムンジョム)で会った。この日午前まで北朝鮮の脅し文句のように望ましくない衝突が発生するか懸念した国民は午後に突然決まった対話を歓迎した。待避していた漣川(ヨンチョン)、抱川(ポチョン)、江華島(カンファド)の地域住民も大きな期待をかけた。

高官接触が開かれるまで半月余りにわたり韓半島は緊張そのものだった。非武装地帯(DMZ)での地雷挑発(4日)と韓国側の対北朝鮮拡声器放送再開(11日)、西部戦線での砲撃戦(20日)、北朝鮮の武力行使の脅し(22日午後5時)まで、気が休まらなかった。南北高官会談は再び対話の出口を開いたということに大きな意味がある。

問題は北朝鮮の真正性だ。世界的な非難を免れようとする責任逃れ戦術や偽装平和攻勢の可能性もあるためだ。北朝鮮の政権はいつでも態度を急変できる集団だ。休戦協定以降の武力挑発は519回、協定違反は40万件を超える。表面では対話をするふりをしながらさまざまな手法で韓国国内での対立を誘発する硬軟作戦で韓国の国論分裂をたくらんだ。昨年10月のアジア大会の時もそうだった。黄炳瑞(ファン・ビョンソ)総政治局長、崔竜海(チェ・ヨンヘ)党秘書、金養健(キム・ヤンゴン)統一戦線部長兼対南担当秘書ら北朝鮮の最高位級要人が閉幕式の際に仁川(インチョン)を訪問し会談したことがある。南北間の薫風を期待したが、その後北朝鮮は対北朝鮮ビラを入れた風船を高射銃で撃つ挑発をした。こうした前例を絶対に忘れてはならない。


哨戒艦を沈没させ、延坪島(ヨンピョンド)を砲撃し、木箱地雷を埋設してもとぼけているのが北朝鮮だ。好戦的な金正恩(キム・ジョンウン)政権が存在する限り韓国はこれを抱えて暮らすほかない。光復(解放)70周年、分断70周年にかかわらず挑発する北朝鮮を、時にはなだめ、時にはあやさなければならないのが宿命なのかもわからない。

宿命はそのまま運命になったりもする。今回の機会に北朝鮮挑発の悪循環の輪を確実に断ち切り、平和統一の意思を確かめ合うことがそれだ。何より国家的危機の時に国民がひとつの心、ひとつの思いで集まるべきだ。そしてわれわれはきのう、そのような底力を見せた。北朝鮮が居直って韓国に「48時間の最後通告」をしてもわれわれは少しも揺らがなかった。金正恩が準戦時体制を宣言して完全武装し火力を休戦ライン一帯に集結させたが、韓国軍は剛健で、国民は軍を信頼した。買い占めに出たり右往左往した国民が1人でもいたのか。

政争ばかり日常的に行っていた与野党政界も久しぶりに北の挑発を糾弾し堅固な安保に声をそろえている。李舜臣将軍の言葉通り「必死即生必生則死」が必要な時期だ。国民的結集と断固とした精神が金正恩政権に最も強力な武器になることは自明だ。

しかし強く出ることだけがすべてではない。国民の安全と危機と平和を守ることが政府と軍がすべき最大の責務だ。朴槿恵(パク・クネ)大統領が光復(解放)70周年祝辞で明らかにしたように、北朝鮮の武力挑発は断固として対応し、対話は柔軟にしなければならない。レッドラインを絶対に越えられないようにすると同時に、対話のチャンネルは幅広く開けておくことが必要だ。離散家族再会をはじめとする民間協力も拡大しなければならない。そうした点から22日の南北高官接触は時宜適切だった。北朝鮮が真正性と柔軟性を見せることを改めて促す。(中央SUNDAY第441号)



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