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【社説】「財閥改革」法と制度だけではできない=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
ロッテグループの経営権紛争が「財閥改革論」に広がり、政界も財閥改革に対する議論に本格突入した。セヌリ党はきょう政府与党会議を開き財閥企業の支配構造改善策を議論すると明らかにした。新政治民主連合は5日に経済民主化討論会を開き財閥問題を議論した。

こうした財閥改革論は単にロッテ一族の水準の低い争いを嫌気したためだけではない。ロッテは財界5位、韓国国内だけで81社の系列会社に協力企業を含め35万人の労働者が働く企業集団だ。ところが政府と金融圏すら支配構造を把握できていない暗闇だった事実が明らかになった。少ない株式で循環出資を利用し企業を支配するオーナー一族の皇帝経営、子どもたちの経営権継承を当然視する前近代性も赤裸々に表われた。不透明性と不安定な支配構造、貪欲と退行的思考など財閥の積弊が一気に露出したのだ。

財閥改革論の拡大にはこれだけではなく趙顕娥(チョ・ヒョンア)前大韓航空副社長の「ナッツリターン」のようなオーナー一族の不適切な行動に、最近の企業継承過程で外資系ファンドから経営権の攻撃を受ける事例が増え、韓国社会に「財閥疲労感」が蓄積したためでもある。


しかし現実的にこれといった財閥改革の手段はない。韓国は通貨危機後に新規循環出資を禁止し系列会社間で仕事を融通し合うことを規制するなど財閥規制法を整備した。企業も循環出資解消に努力するなど透明性が改善され、これにより3世・4世の継承が不如意な企業が大部分だ。ロッテ問題を契機に非上場企業の情報公開義務を強化しようという主張も出ているが、これを通じ外国企業まで規制することはできない。また、既存の循環出資を解消しなければならないという主張もあるが、この場合韓国の主力企業が大きな打撃を受けかねない。このように法と制度だけで財閥を改革するには限界がある。

財閥改革を主張する韓国社会の対応には懸念される部分もある。「財閥は悪循環のブラックホール」「労働改革と財閥改革連係」など政界の主張も対案よりは刺激的なスローガン一色である場合が多い。また、ロッテ問題が起きると監査当局と税関・公正取引委員会などが一気に企業に対する集中点検に入り、消費者は不買運動に出るなど感情的対応で企業に打撃を与える方式で進められる。これは財閥ではなく韓国経済を亡ぼすものだ。

企業支配構造には正解がない。オーナー企業が専門経営者企業より効率的だとの研究も多いという点から無条件でオーナー支配の解体を主張するのも正解ではない。しかしいま韓国社会で財閥がどのような姿で存在しなければならないのか考えなければならないタイミングということは明らかだ。経営者ではなく社員から企業に力を加え競争を通じて最高経営責任者(CEO)に上がる日本のトヨタ一族や、「存在するが表れない」という原則のスウェーデンのバレンベリ家など尊敬を受ける財閥の事例は多い。財閥は財閥で、国民は国民で、「韓国社会に望ましい財閥家の未来像」を考え討論する時になった。



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