辛東彬（シン・ドンビン、重光昭夫）ロッテグループ会長（６０）と対立している辛東主（シン・ドンジュ、重光宏之）前日本ロッテホールディングス副会長（６１）は潜行中だ。辛東主前副会長は２日に予定されていた出国を先に延ばし、父の辛格浩（シン・ギョクホ、重光武雄）総括会長（９４）のそばにいることが分かった。

ロッテグループの関係者は「ソウル小公洞のロッテホテル３４階にある辛格浩総括会長執務室兼住居に毎日出勤していると聞いている」と述べた。辛東彬会長が父を訪ねた３日にも辛東主前副会長は辛格浩総括会長と一緒にいた。辛格浩総括会長の３番目の弟の辛宣浩（シン・ソンホ、重光宣浩）日本サンサス社長（８２）は「辛格浩総括会長執務室１階下の３３階に辛東主の部屋がある」と話した。

辛宣浩社長と辛英子（シン・ヨンジャ）ロッテ福祉財団理事長（７３）、辛東仁（シン・ドンイン）ロッテジャイアンツ球団オーナー代行（６９）の「親族３人」も最近、特別な動きを見せていない。


辛東彬会長が韓国ロッテ経営権を握る過程で一線から押し出されるなど被害を受けた３人は、辛格浩総括会長が辛東彬会長をはじめとする日本ロッテホールディングスの取締役陣を「指差し解任」するのに同行したため、「反辛東彬派」と見なされている。しかし３人は直接・間接的にこれを否認している。特に辛宣浩社長は中央日報の記者に「私はその家のこととは関係がない」とまで話した。しかしその後、辛宣浩社長は韓国に滞在し、多くの取材陣の前で辛東主前副会長を擁護し、辛東彬会長を激しく非難するなど、事実上の「スポークスマン」役をしている。

辛東主前副会長は「姉（辛英子理事長）は中立だ。父の世話のために同行した」と述べたが、辛英子理事長は辛東主前副会長を助けて韓国ロッテに最も影響力を発揮できる人物だ。辛英子理事長は１９７３年にロッテホテル取締役として入社し、２０１２年２月に「辛東彬体制確立」でロッテショッピング社長から退くまで、デパート・ホテル・免税店などロッテグループの主力事業を率いたため、グループ内のネットワークも多い。ロッテの関係者は「辛英子理事長が日本に父を連れていく前、ロッテショッピング社長時代に連れていた人たちでシンクタンクを構成したと聞いている」と話した。

一方、辛英子理事長は日本ロッテホールディングスには大きな影響を及ぼしていないことが確認された。日本ロッテホールディングスのある幹部は中央日報との電話で、「辛英子とは誰なのか。姉？　姉がいたのか」という反応を見せた。別の日本ロッテの関係者も「日本ロッテとは関係がないのでよく分からない」と話した。

辛東仁球団オーナー代行も「反辛東彬派」に挙げられると、メディアに「私は今回の件とは関係なく、巻き込まれたくはない」と主張した。