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【噴水台】ロッテが見せる憂うつな未来=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
ロッテグループ創業者の還暦を過ぎた2人の息子が、韓国と日本を行き来しながら経営権争いを繰り広げている。次男が長男と父を解任したのに続き、還暦の次男が90歳を超えた父に殴られたとか、数年間会長だった次男を父は会長に任命したことはないと話すなど、すべてのことが常識外だ。さらにこうした暴露がすべてオーナー一家の口で出てきたというから、これほどひどいことはない。これに関し、世間では後進的な家族経営の素顔が表れた、財界5位の大企業のレベルがこの程度か、などと失望感を表している。野次馬の立場で一言ずつ言うことはできるが、支配構造や継承プログラム問題は普通の人の生活とはかけ離れた世界のことだ。とはいえ、今回のロッテ事態は我々が抱えていく高齢社会の暗うつな未来を見せているようでぞっとする。

みんな健康異常説だと遠まわしに表現するが、辛格浩総括会長の最近の言動は普通の人の目には認知症の高齢者の気まぐれにしか見えない。そうでなければ、わずか数カ月間に長男と次男の肩を順に持ち、グループを、いや全国を混乱させるようなことができるだろうか。

ところが実際、ロッテのような大企業だけでなく、家1軒ほど譲る余力がある中産層の家庭でも似た問題が少なくない。「老老相続」のためだ。老老相続とはその言葉通り、高齢者が高齢者に相続することをいう。100歳の高齢者が死亡する時、70歳の高齢者になった子どもに相続するということだ。相続をしないのならともかく、相続をする考えなら、子どもの経済活動が旺盛な時にするのがさまざまな面で良いが、ほとんどが最後の日まで財産を握って離さない。高齢や認知症で記憶がはっきりしない中でも、強要された親孝行を受けようとする心理のためだ。老老相続は資産が高齢者から高齢者に渡り、経済活力を落とすだけでなく、今回のロッテ事態が見せるように家族間の紛争を起こし、結局は失敗した相続で終わるケースが多い。


問題は、平均寿命が長くなり、老老相続も増えるというところにある。格付け機関ムーディーズは韓国の場合、2030年には65歳以上の人口比率が20%を超える超高齢社会に入ると予想した。2013年に57万人だった認知症患者はその頃には127万人に増える(盆唐ソウル大病院)という。確実な相続設計なしには企業も個人もリスクを負うしかないということ、これが我々を待つ憂うつな未来だ。

アン・ヘリ中央SUNDAY企画エディター



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