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【社説】後進的な家族経営が招いたロッテグループ「兄弟の乱」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
ロッテグループ事態が佳境に入っている。長男の辛東主(シン・ドンジュ、重光宏之)前日本ロッテホールディングス副会長(61)が父の辛格浩(シン・ギョクホ、重光武雄)総括会長を前に出し、弟の辛東彬(シン・ドンビン、重光昭夫)ロッテグループ会長を解任しようとすると、弟が兄はもちろん父までも追い出した。兄弟の争いは結局、株主総会の対決で決まることになったが、お互い勝利を確信している。グループを握るための兄弟間の争奪戦で誰が勝者になるかは五里霧中だ。日本メディアは骨肉の争いと表現している。

ドラマのような今回の事態は、これまで韓国財閥家でよく見られた経営権紛争そのものだ。サムスン・現代・韓進(ハンジン)・ハンファ・錦湖(クムホ)・斗山(トゥサン)・暁星(ヒョソン)など主要グループの多くが経営権継承過程で兄弟間の争いを見せた。ついに日本ロッテ70年、韓国ロッテ50年、一度も経営紛争がなかったと自慢していたロッテまでもこうした状況になった。経済の回復に率先するべき財閥グループが経営権争いで泥仕合をするのを眺める国民は複雑な気持ちだ。

こうした紛争が生じた根本的な理由は韓国財閥の後進的な所有支配構造のためだ。公正取引委員会によると、6月末現在10大グループのトップの持ち株比率は平0.9%だった。少ない持ち株比率でグループ全体を支配できるため、経営権世襲競争が激しくなるしかない。ロッテも同じだ。辛格浩会長の持ち株比率は0.05%で、トップ一家の持ち株をすべて合わせても2.41%にしかならない。


ロッテグループは支配構造も最も複雑だ。416社が持ち合っている。ロッテショッピング→ロッテカード→ロッテ七星飲料→ロッテショッピング、ロッテショッピング→大弘企画→ロッテ情報センター→ロッテショッピング、ロッテ製菓→ロッテ七星→ロッテショッピング→ロッテ製菓など持ち合いを通じてオーナーの辛格浩会長がグループ全体を支配してきた。このため家族企業でないにもかかわらず家族同士がグループ全体系列会社の経営を操る家族経営が可能だったのだ。

ロッテはホテル・流通・食品で年間売上高83兆ウォン(約9兆円)の財界5位グループだ。直接雇用だけで12万人、協力会社の間接雇用まで合わせれば35万人にのぼる国内雇用1位企業でもある。辛東彬会長は「家族のことで企業が揺れてはいけない」と述べたが、今回の件で12万人の職員は何を見て学ぶだろうか。そうでなくとも国民は財閥の支配構造に疑問を抱いており、反財閥情緒も相変わらずだ。ロッテ事態で否定的な世論がさらに強まらないか心配だ。

他の財閥も息をのんで事態を見守っているだろう。ちょうどサムスンとヘッジファンド「エリオット」の紛争で韓国大企業の経営権装置の準備が必要だという世論が強まっている。こういう時にこうした紛争が発生しただけに、法制定を推進中の国会も何ともいえない状況だ。政府・企業・国民が力を合わせても経済回復は容易でない。ロッテオーナー一家は急いで紛争を終わらせなければいけない。それがロッテを愛して育ててくれた国民への最小限の礼儀だ。



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