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【コラム】韓国は米国・中国の目を気にするな

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
もし世界の他の地域(例えば欧州)に位置していれば、韓国は「主要国際政治行為者(major international actor)」となるだろう。実際、韓国はそのような地位を徐々に確保している。しかしすべての韓国人が知っているように北東アジアは生存が厳しい地域だ。日本・ロシア・中国のような強大国の影響力が交わる。さらに韓国は米国と長い同盟関係だ。

中国の浮上は韓国の外交政策の行方に根本的な質問を投げかけている。韓国は中国を選択すべきなのだろうか。中国の漸増する経済的・戦略的重要性を勘案し、ソウルが国益を曲げる必要があるのだろうか。それとも逆に中国の浮上が韓国に要求するものは、静かに韓米同盟を強化し、勢力の均衡を維持することなのだろうか。

いくつかのイシューを検討してみると、こうした形の単純化された問題設定が韓国の選択を歪曲するということが見える。韓国が直面している挑戦は「中国か米国か」を選択することではない。韓国が進む道は、今までプラスに作用してきた多者体制の擁護を含め、国家利益に集中することだ。


まず安保分野を見てみよう。北朝鮮問題に関し、韓国は中国・米国にどのように接近するべきか。我々がすぐに分かるのは、韓国の国家利益が部分的に両国と一致または不一致するという点だ。韓国は中国が被後見国(client state)北朝鮮に対して義務を負っているという点を中国に強く想起させなければいけない。中国は北朝鮮の露骨な挑発にもかかわらず、周辺国にただ冷静を維持するよう要求することはできない。一方、米国の対北朝鮮政策は現在、身動きが取れなくなっている。まだ成功していないが、原則のある対北朝鮮接近を模索してきた朴槿恵(パク・クネ)大統領の政策は正しい。

高高度ミサイル防衛(THAAD)体系の配備問題も似た問題を提起する。中国は反対の意思を表明した。米国がTHAADを展開しようとする理由の一つは、地域ミサイル防衛体系と韓日関係の強化だ。もちろん韓国は米中の立場をある程度考慮しなければならないが、何よりも重要なのはTHAADが韓国の抑止力を強化し、費用効率的にリスクを減らせるかを韓国が自ら判断することだ。私が見るに、THAADは相当な費用で少しの安保増進効果をもたらす可能性がある。一方、リスクはむしろ高まる。こうした私の見解に同意するかどうかに関係なく、韓国内の議論過程で核心は韓国の立場のTHAAD費用便益分析だ。

もう一つの事例は米国が誤って対処した最近のアジアインフラ投資銀行(AIIB)をめぐる問題だ。AIIBは中国に多者体制の義務を忠実にさせるという点で相当な戦略的利益を抱かせる。現在の多者体制は中国のリーダーシップと支持が非常に重要であるからだ。しかし韓国の今後のAIIB参加方式は、AIIBが東アジアにもたらす利益の計算を基礎にしたものでなければいけない。潜在的に韓国が得る利益は大きいとみられる。ユーラシア大陸に対するインフラ投資は東アジア経済を成長させる。東アジアの成長は韓国にとって利益だ。

経済の事例は多い。韓国の政策実行は特に経済分野で敏捷だ。韓米自由貿易協定(KORUS FTA)は韓米両国に利益だが、経済規模が小さい韓国が得るものがより多い。また韓米FTAは韓中FTAやこれを拡張した韓日中FTAで韓国が得る利益を損なわない。環太平洋経済連携協定(TPP)は米国で論争の対象だ。米国人は自分たちに当然提供されるべきTPP規定の詳細情報を受けていない。韓国のTPP参加は、軍事戦略的な韓米関係に対する考慮でなく、TPP協定文を基礎にしなければいけない。韓国の産業界と労働界に及ぼす利益と不利益を考えなければいけないということだ。

最後に人権問題がある。最も難しい分野だ。民主国家である韓国は世界の自由伸長に関心を持つ必要がある。中国がより透明で自由な国になることも含まれる。隣の巨人を相手に自由という自身の価値を守るのは難しい。しかしそうすることが自身の価値に対する真正性を見せる。韓国は中国・北朝鮮の人権問題に対して立場を明確にしなければいけない。韓米同盟のためではない。人権は韓国が追求するより広い意味の国家利益であるからだ。

韓国の外交は援助、人道主義的支援、平和維持活動など多様な分野で北東アジア地域を越え、国際的な指導力を徐々に強化しなければいけない。もちろん韓国は長い韓米同盟と徐々に重要になっている韓中関係の脈絡で外交政策を設計することが求められる。しかし韓米同盟や韓中関係が韓国の選択を決めることは可能でもなく望ましくもない。出発点は常に韓国の国家利益でなければいけない。個人の日常生活でも「本当に望むこと」と「必要なこと」を分けるのは意外に難しい。外交政策の樹立はさらに難しい。しかし隣国や同盟国は韓国が国益に対して正直である時、韓国をさらに尊重する。

ステファン・ハガード・サンディエゴカリフォルニア大(UCSD)客員教授

◆外部執筆者のコラムは中央日報の編集方針と異なる場合があります。



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