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韓国政府、膨らむ家計負債に「待った」…来年から貸付制限

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
#自営業をするユさん(42)は3月、急に資金が必要となり銀行に住宅担保貸付を申し込んだ。ところが事業所得が貸付基準に満たなかった。父親所有の建物で子ども服店を運営しており、現金取り引きや簡易領収書を通じて申告所得を減らしていたためだ。ユさんは代わりにクレジットカード使用額を所得資料として提出し貸付を受けた。しかし来年からはユさんのように証明所得が少ない人は現在のように住宅担保貸付を受けるのが事実上不可能になる。

#中堅企業会社員のキムさん(46)は昨年末に2億ウォンの住宅担保貸付を受けてマンションを購入した。3年間は利子だけ返済する据え置き型(3%固定金利)で毎月50万ウォンを返済している。子ども2人の教育費のため元金まで一緒に返済できる状況ではなく、据え置き期間が終われば同じ条件の新たな貸付に借り換えて利子だけ返す考えだ。しかし据え置き期間が終わった後で新たな貸付に借り換えると毎月利子と元金合わせて111万ウォン(20年満期)ずつ返済しなければならない。

韓国政府が1100兆ウォンまで増えた家計負債にブレーキをかけた。来年から財産があっても毎月元利金を返していく所得を立証できなければ貸付を制限することにした。また、長期間利子だけ返済し満期に返済する貸付の新規加入を制限し、初期から利子と元金まで返済して行くように変えることにした。今後金利が上がる可能性に備え変動金利貸付限度を上がった金利を基準として計算するストレス金利制度も導入する。それだけ貸付可能な金額が減る。担保にした住宅価格が銀行の貸付金より低くなっても家だけ銀行に渡せば貸付金償還を免除する「有限責任貸付(非訴求貸付)」制度も12月に試験導入される。韓国政府は22日、企画財政部、金融委員会、金融監督院、韓国銀行の合同でこうした内容の「家計負債管理案」を出した。


昨年7月に崔ギョン煥(チェ・ギョンファン)副首相兼企画財政部長官が就任後に緩和した住宅担保認定比率(LTV)と総負債償還比率(DTI)には手を付けないが、負債返済能力を厳格にチェックし、家計負債爆弾の信管だけは除去しようという趣旨だ。金融委員会のソン・ビョンド金融政策局長は、「住宅担保貸付が急増し、借金を勧める社会という言葉まで出るほどになった。能力に合わせて借り入れ、借りたら最初から返していく構造を作ろうというのが今回の対策の骨子」と話した。金融研究院のソ・ジョンホ専任研究委員は、「家計負債の構造を改善しようという趣旨は正しい」としながらも、「すぐに衝撃を受ける自営業者や所得が少ない若い層のための補完策も用意する必要があるだろう」と指摘した。

まず貸付を受ける際に所得を証明する資料が制限される。現在は源泉徴収領収書、所得金額証明書、健康保険料納付額などの証明資料のほか、カード使用額や売上額を活用して推定した所得(申告所得)も認めている。しかし来年からは原則的に国税庁のように政府や公共機関が確認した資料だけ認められる。また、償還能力を確認する際には新規住宅担保貸付元利金のほかに既存のマイナス貸付、信用貸付の元利金負担までともに考慮し評価する。相互金融など第2金融圏の商店街・土地担保貸付基準もやはり強化される。

来年から行われる新規住宅担保貸付は据え置き型を活用したとしても据え置き期間は現在の3~5年から1年以内に減らす。不動産市場にも少なくない影響を及ぼすものとみられる。江原(カンウォン)大学不動産学科のイ・ジェス教授は「政府が不動産規制緩和政策を行ってきて貸付規制強化に出たのは市場に警告のシグナルを与えようとするもの。不動産市場の活況傾向にもブレーキがかかる可能性が高い」と話した。



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