補修作業が進められる弥勒寺址の石塔。
左から(1)1910年頃の弥勒寺塔、(2)解体前、(3)補修整備が終わった後の想像図。
半壊した状態で6層目の一部まで残っていた西塔は1915年に日本人がコンクリートをかぶせかろうじて崩壊を免れてきた。2001年に全面的な補修整備のため解体を始め10年ぶりに完了した。この過程で建築・保存科学・考古学・美術史など多様な分野にわたり研究が進められた。再び組み上げる工事は2013年に着手され、現在慎重に慎重を重ねて進められている。工事の原則は推論による復元にならないよう6層まで積み上げ、もともとの石材を最大限活用し、過程を精密に記録して資料化することだ。
写真は基礎の上に礎石と柱を仮組み立てした状態だ。施工精密度を高めるため構造的安定性を事前に検討する段階だ。こうした手順を踏んで弥勒寺塔は2017年に堅固で古風な姿で再誕生する。(中央SUNDAY第435号)
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