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【社説】経済と雇用を考慮した最低賃金を=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
来年適用される最低賃金の決定過程が難航している。3日に最低賃金委員会全員会議が開かれたが、労使間の舌戦で終わり、また延びた。労働界は79.2%上昇の1万ウォン(約1100円)を、経営界は据え置き(時給5580ウォン)を主張している。労使が出した引き上げ率の格差は1988年に最低賃金審議委員会が発足して以来最大だ。交渉の過程でそれぞれ修正案を出すだろうが、引き上げ率の差はそれほど縮まりそうではない。さらに月給制併記と業種別に異なる最低賃金を決める問題などをめぐっても、使用者委員と勤労者委員が対立した。

例年に比べて労使間の衝突が深刻になったのは政界が交渉過程に割り込んだからだ。崔ギョン煥(チェ・ギョンファン)経済副首相兼企画財政部長官が年初から「最低賃金をできるだけ上げる」と述べ、期待感を膨らませた。労働界の案はこうして出てきた。雇用労働部は公益委員の口を借りて月給制併記を主張した。「時給で決めると少なく見える。月給を併記すれば金額が多く見えるのでは」という単純論理だった。国民を対象に錯覚効果を狙う政策をはばからない。

これでは困る。賃金は与える者と受ける者が交渉して決めるのが道理だ。基本的に勤労者の生産性と生計を考慮し、企業の経営事情もある。特に最低賃金は零細商人と中小企業、そこに勤務する勤労者に直撃弾となる。


中小企業中央会の最近の調査によると、最低賃金を大きく上げれば人員削減または新規採用を減らすという企業が半分にのぼった。そうでなくても韓国で最低賃金の適用を受ける勤労者の比率は14.6%と世界最高水準だ。ほとんどの先進国の適用率は10%にならない。労働界の引き上げ案を適用すれば勤労者の半分が最低賃金の対象者となる。みんなが似た賃金を受けるようにするのが最低賃金ではない。こうした面で経済事情と企業、勤労者の事情を全体的に見て、合理的な金額に決まらなければいけない。それが韓国経済を守り、雇用を保全する道だ。



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