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【コラム】チプラス首相の危険な賭けが投げかけるメッセージ=韓国(1)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版

イラスト=キム・フェリョン

6月27日土曜日午前1時(現地時間)は歴史に残る瞬間だった。アレクシス・チプラス(41)、彼はギリシャ史上最年少の首相だ。勝負師の気質で武装した。深夜にテレビカメラの前に立った。世界を相手に反転カードを取り出した。債権団の救済金融案に対する国民投票の実施発表は劇的だった。債権団との交渉は政府がすることだ。彼は戦線を巧妙に変えた。国民を担保に前面に出した。「国民投票」は掛け金をほとんど消耗した時に取り出したオールイン(全てかけること)カードだった。

チプラス首相は交渉の生理をよく分かっている人物だ。彼が最初から今回の交渉で使えるカードは、ちょうど1枚だった。「瀬戸際戦術」。彼は急進左派連合(SYRIZA)を率いて今年1月の総選挙で勝利し執権した。ギリシャ人は2010年トロイカ(国際通貨基金・欧州中央銀行・欧州連合)から第1次救済金融を受けた後、6年間の苛酷な緊縮政策に苦しめられたと思っている。税金は跳ね上がり、賃金と年金支給額はぐっと削られた。彼らから見ればトロイカ債権団は無慈悲なベニスの商人シャーロックだった。この隙間にチプラスが食い込んだ。緊縮反対、最低賃金の引き上げなどを叫んだ。

ギリシャの有権者の反発を理解できないわけではない。だが、このすべての結果は彼ら、または彼らの前の世代が撒いた種から始まった。2001年にギリシャがユーロ圏(ユーロ貨幣使用国家、現在は19カ国)に加入して国民は“成り金”になった。このお金のほとんどが借金だ。ドラクマを使っていたギリシャがユーロ貨幣を使いながら地位が変わった。ドイツ・フランスなどと肩を並べた。低金利で債権を発行できるようになると簡単に金を借りてふんだんに使った。不幸はこうして始まった。


年金制度も腐るだけ腐った。一時ギリシャの年金の所得代替率は90%にもなった。引退しても仕事をする時と似たような収入だった。年金を受け取れる年齢も60歳以上だった(今は65歳以上だ)。580の危険業種に従事すれば60歳前からでも年金を受けとれた。あきれる話だが美容師やテレビ・ラジオ番組の司会者も危険業種に含まれた。美容師は体に害になる染色剤を扱うという理由で、テレビ・ラジオ番組司会者はマイクにひそんでいるバクテリアの危険性にさらされているという理由で早くから年金を受けとれた。国の金庫が滅びたのは当然だった。2008年グローバル金融危機と南欧の財政危機というパーフェクトストームがギリシャを襲った。



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