米国の経済首都ニューヨークで約3000人の命を奪ったテロに怯えていた米国人は、テレビで生中継されたブッシュの演説に戦慄した。凄惨な残骸と鉄筋構造物、汗と土埃にまみれた消防隊員、その真ん中でハンドマイクを持って立ったジャンパー姿の大統領。映画のシーンのような光景に悲壮感は増幅された。実際、米同時多発テロ以前までブッシュは低い支持率に苦しんだ。2000年の大統領選挙で民主党のアール・ゴア候補に総得票数では54万票もリードされながら、「勝者独占方式」という米国選挙制度の盲点のおかげで大統領になったからだ。執権の序盤は選挙無効論争もあった。
ところがこの日の即席演説でブッシュは一気に状況を変えた。恐怖を感じる米国人の胸に愛国心の火をつけた。「テロとの戦争」を前に出し、ブッシュは2004年の再選まで疾走した。米同時多発テロ後にブッシュが起こしたアフガニスタン・イラク戦争が正しかったかどうかは別の問題だ。ただ、ブッシュの演説はどうすれば政治家が民心を動かすことができるのかを見せる古典となった。絶体絶命の瞬間、恐怖と悲しみに震える国民の中で堂々と情熱を見せる指導者の姿に民心も動いた。
【時視各角】朴槿恵大統領の3本目の矢(2)
ところがこの日の即席演説でブッシュは一気に状況を変えた。恐怖を感じる米国人の胸に愛国心の火をつけた。「テロとの戦争」を前に出し、ブッシュは2004年の再選まで疾走した。米同時多発テロ後にブッシュが起こしたアフガニスタン・イラク戦争が正しかったかどうかは別の問題だ。ただ、ブッシュの演説はどうすれば政治家が民心を動かすことができるのかを見せる古典となった。絶体絶命の瞬間、恐怖と悲しみに震える国民の中で堂々と情熱を見せる指導者の姿に民心も動いた。
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