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【社説】北朝鮮人権弾圧を監視する国連のソウル事務所

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
国連の北朝鮮人権事務所が昨日、ソウルに開設された。事務所は国際社会が北朝鮮当局の人権弾圧を監視する初の「最前方哨所」と表現できる。脱北者から人権侵害の事例を収集し、人権弾圧に関連する各種資料を蓄積するという機能を遂行することになる。その間、ジュネーブやバンコクも候補地として検討されたが、北朝鮮と近く脱北者が多い韓国が選択されたのは当然のことだ。

事務所の設置は、北朝鮮の人権弾圧を牽制しようとする国際社会の努力が一段階進展したものだ。国連が北朝鮮人権調査委員会を設置したのは2013年3月。2014年2月に発表された報告書は、人権弾圧に責任がある人物を国際司法機構に提訴すること、ソウル事務所など「現場基盤組織」を設置することを勧告した。北朝鮮の反発にもかかわらず、北朝鮮の人権改善のための国際的な努力は進行している。

国連の北朝鮮人権事務所を当局が許容したことに対する反対も激しい。北朝鮮は抗議し、光州(クァンジュ)で開催される夏季ユニバーシアード大会に参加しないと通知してきた。拘束中の韓国国民2人を送還すると言っていた北朝鮮は突然、立場を変え、無期懲役を言い渡した。進歩性向の市民団体の会員は昨日の記者会見で、「人権が北に対する圧力政策と敵対政策の手段として悪用されるおそれがある」と主張した。


しかし北朝鮮人権弾圧の実状は、南北関係レベルを越え、世界が扱うべき人道的な問題となっている。こうした状況で国際社会の動きに韓国が消極的に対処することはできない。さらに弾圧を受ける対象が同胞という点で、韓国は国際社会の努力に加わるべきもう一つの理由がある。北朝鮮との対話を追求するものの、北朝鮮の挑発には断固対処しなければならないように、北朝鮮との共生のためにも人権問題に背を向けることはできない。

米国と日本は北朝鮮人権法を作ったが、韓国ではこの法が10年以上も国会で止まっている。北朝鮮人権事務所の開設を機に与野党は議論を再開しなければいけない。北朝鮮の人権問題に関する合理的な議論が、結局は韓半島(朝鮮半島)の未来に役立つということを、韓国も北朝鮮も銘記する必要がある。



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