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【社説】MERS地域伝播を防ぐには国全体レベルの対応が必要=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国政府が7日、中東呼吸器症候群(MERS)患者が発生・経由した24の病院リストを公開した。最初の患者が確認されてから18日目だ。崔ギョン煥(チェ・ギョンファン)首相職務代行はこの日、緊急会見を開き、「MERS関連情報はできる限り公開し、地方自治体および教育庁との協力を強化する」と明らかにした。

この日、文亨杓(ムン・ヒョンピョ)保健福祉部長官は4つの広域自治団体の首長とMERS拡散防止のために協力することにした。朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長、南景弼(ナム・ギョンピル)京畿(キョンギ)知事、安熙正(アン・ヒジョン)忠南知事、権善宅(クォン・ソンテク)大田(テジョン)市長が出席した。金武星(キム・ムソン)セヌリ党代表と文在寅(ムン・ジェイン)新政治民主連合代表も国会にMERS対策特別委員会を設置するなど超党派的な協力に合意した。

遅くなったが、ようやくMERS拡散を防ぐための国全体レベルの対応体系が整ったようで幸いだ。政府と地方自治体、与野党が協力するだけに、今後は右往左往する姿がないことを期待する。


MERSは隔離対象者が2361人まで増えるなど依然として拡散傾向にある。一方、潜伏期が終わるまでいかなる症状も表れず、隔離解除された人も560人にのぼる。防疫当局が初動対処できず院内感染が広がったが、まだ懸念される地域伝播は発生していない。また、検査の結果、韓国で発生したMERSは変種でないことが確認された。中東の事例で見ると、韓国でも空気中の伝播や地域社会伝染は起きない可能性が高い。しかしMERS完全撲滅まで政府と医療界、国民は緊張を緩めてはいけない。

地域伝播を防ぐために最も重要なのは、院内感染者と接触した人たちを追跡して隔離することだ。保健当局では12日が2次拡散の峠になるとみている。発病者が最も多い平沢(ピョンテク)聖母病院に患者や医療スタッフが最後にいたのが先月29日だ。最大潜伏期(14日)を過ぎた12日なら平沢聖母病院発の患者はこれ以上出てこない確率が高い。しかしサムスンソウル病院で始まった2次流行はまだ拡散中だ。特にこの病院で14人目の患者と接触したと疑われる893人に対しては徹底的な追跡管理が必要だ。14人目の患者は現在まで17人を感染させたスーパー保菌者だ。したがってこの患者の動きを徹底的に把握し、接触者に対する通知措置と感染検査、隔離措置が迅速に取られなければいけない。

政府はこの日、MERS病院リスト公開時も一部の病院の名前と所在地を誤って発表し、混乱を招いた。政府は地方自治体と野党が協力することにしただけに、機関間で情報をできる限り共有し、二度とこうした失敗を繰り返してはいけない。実際、疾病管理本部が医療界だけにでもあらかじめ十分な情報を与えていれば、最初の患者が確認されたサムスンソウル病院でこれほど多くの3次感染者は発生しなかったはずだ。

国民はすでに随時手を洗い、人が多いところを避けるなど「防衛機制」を作動し始めた。共同体の警戒心がかなり高まっただけに、政府と地方自治体、医療界が手を握り、総力対応をすれば、MERSといっても防げない理由はない。



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