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【社説】年間数千人死亡の地中海難民惨事、そのまま放置するつもりか

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
セウォル号惨事から1年が過ぎながら社会的対立が結末を見せない状況で接する地中海難民惨事のニュースは、決して遠い国の話のようには聞こえない。大型定期旅客船が300人以上の命と共に沈没するのを目の前で眺めるだけだった境遇で、難民を乗せた粗末な漁船・いかだが転覆して広がった事故に是非を言う資格があるのかも分からない。だが、そんなトラウマがあるのだから遠く離れた地中海が号泣の海となっている現実を、より一層私は知らないと言っていてはだめだというのが私たちの考えだ。

地中海ではこの1週間にリビアから出発した難民船が3隻沈没し1200人余りが命を落とした。これほど犠牲者が多いのは、それだけ難民が多いからだ。過去1年間だけで17万人の難民が地中海を渡ってイタリアに到着した。途中で亡くなった人だけで3200人だ。リビアには欧州へ脱出しようとする難民が最大100万人まで待機中だという話も聞こえる。ほとんどは武装勢力イスラム国(IS)がばっこするシリアをはじめ内戦や暴政、貧困と病気に苦しめられる中東・アフリカ出身だ。

難民犠牲者が増えながら欧州連合(EU)はリビア内の密航組織の掃討のために軍事作戦まで行うと乗り出している。密入国の船舶を破壊して地中海を渡れないようにするということだが、命をかけた難民が消えない限り根本的な対策にはなり難い。それでも欧州の消極的対処だけを恨む状況にもなれない。そうでなくとも経済難の中で反移民感情に便乗した極右勢力が力をつけて頭を悩ませている欧州だ。


欧州だけに難民問題の解決の責任を負わせては惨事が繰り返されるほかない。国連をはじめとする国際社会が積極的に取り組まなければならない。地中海の巡回査察や難民救助も重要だが、何より中東・アフリカなどの「失敗国家」が国家として機能できるよう助けるべきだ。経済的支援はもちろん政治・社会的コンサルティングなど構造的に難民の発生を防ぐよう国際社会の知恵を集めなければならないということだ。国際社会の主要な一員である韓国も積極的に取り組み、手伝えるだけ手伝わなければならない。



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