久しぶりに開発時代の創業者だった老企業家から電話がきた。通貨危機当時に会社を失った人だ。「この頃、成完鍾(ソン・ワンジョン)リストで騒々しかったが原因はなんですか」。ご機嫌うかがいの挨拶の後こんなふうに尋ねた。概略を説明したところ彼は舌打ちをした。「金額も何も細かい話なのに…国が騒々しくて…」。彼に尋ねた。「昔とは単位がすごく変わったのですか」。彼は「私は(金を)持って行かなくてダメになった者だから…」と言葉を濁した。通貨危機の直後に会社をなくした多くの企業主も、似たような話をした。「(政権に)お金を持って行かなかったから」。「お金を与えるタイミングが遅れてしまって」。
企業家の間では「政治献金の後にこそ企業発展がある」という信頼が剛健だ。過去、全斗煥(チョン・ドゥファン)・盧泰愚(ノ・テウ)元大統領が財閥などから受け取った違法秘密資金の規模が検察で明らかにしただけで、それぞれ9500億ウォン(約1050億円)と4500億ウォン台だったほどだ。2002年の大統領選挙ではハンナラ党(現セヌリ党)に某企業が与えた150億ウォンの現金トラックが発覚した「車取引事件」もあった。今は良くなったのかと思っていたところ、成完鍾リストは大統領側近を狙っている。もちろん事実の有無については検察の捜査で判明するだろうが、国民はすでに「五十歩百歩」の虚脱感に陥った。
「なぜ企業からお金を受け取るのか」。全斗煥の秘密資金事件当時、裁判所がこのように尋ねたところ全氏は「お金を受け取らないと、企業家たちは不安で投資できなかった。企業家たちは私に政治資金を出すことで政治的安定に寄与するやりがいを感じたのだろう」と答えた。お金を出した財閥は“慣行”だといった。ところがある企業家は私席でこのように話した。「企業家はもともと利益があるなら地獄に行って悪魔とも妥協する。政権にお金を出せば利益になり、出さなければ滅びてしまうケースがあるので、政治献金は投資だ」。
「政治献金=投資」「企業の存続において政治的影響力の艦首」の公式は、韓国の不可解な企業経営現象を説明するのに役立つ。京南企業の現象はこの公式を適用すれば明快に説明される典型的な例だ。京南企業はワークアウトに入った2013年すでに資本が食い込んだ状態で3395億ウォンの純損失を出した。この不安定な状況で金融圏は1兆3000億ウォンを注ぎ込み、ゾンビ企業として生きながらえるようにした。いったいなぜか。企業主だった成完鍾元会長が当時、政務委員会所属の国会議員だったからだ。当時、金融委員長・金融監督院長も彼の一声ですぐに駆けつけ、銀行はお金を注いだ。
【時視各角】政治に向かってひた走る企業家たち=韓国(2)
企業家の間では「政治献金の後にこそ企業発展がある」という信頼が剛健だ。過去、全斗煥(チョン・ドゥファン)・盧泰愚(ノ・テウ)元大統領が財閥などから受け取った違法秘密資金の規模が検察で明らかにしただけで、それぞれ9500億ウォン(約1050億円)と4500億ウォン台だったほどだ。2002年の大統領選挙ではハンナラ党(現セヌリ党)に某企業が与えた150億ウォンの現金トラックが発覚した「車取引事件」もあった。今は良くなったのかと思っていたところ、成完鍾リストは大統領側近を狙っている。もちろん事実の有無については検察の捜査で判明するだろうが、国民はすでに「五十歩百歩」の虚脱感に陥った。
「なぜ企業からお金を受け取るのか」。全斗煥の秘密資金事件当時、裁判所がこのように尋ねたところ全氏は「お金を受け取らないと、企業家たちは不安で投資できなかった。企業家たちは私に政治資金を出すことで政治的安定に寄与するやりがいを感じたのだろう」と答えた。お金を出した財閥は“慣行”だといった。ところがある企業家は私席でこのように話した。「企業家はもともと利益があるなら地獄に行って悪魔とも妥協する。政権にお金を出せば利益になり、出さなければ滅びてしまうケースがあるので、政治献金は投資だ」。
「政治献金=投資」「企業の存続において政治的影響力の艦首」の公式は、韓国の不可解な企業経営現象を説明するのに役立つ。京南企業の現象はこの公式を適用すれば明快に説明される典型的な例だ。京南企業はワークアウトに入った2013年すでに資本が食い込んだ状態で3395億ウォンの純損失を出した。この不安定な状況で金融圏は1兆3000億ウォンを注ぎ込み、ゾンビ企業として生きながらえるようにした。いったいなぜか。企業主だった成完鍾元会長が当時、政務委員会所属の国会議員だったからだ。当時、金融委員長・金融監督院長も彼の一声ですぐに駆けつけ、銀行はお金を注いだ。
【時視各角】政治に向かってひた走る企業家たち=韓国(2)
この記事を読んで…