国際大会にさえ出れば勢いよく飛ぶ選手がいる。こんな選手を「国際用」と表現する。朴槿恵（パク・クネ）大統領も国際用に近い。一昨日（１８日）、ノーベル文学賞を受賞したガブリエル・ガルシア・マルケスの国での発言がそうだ。コロンビア大統領との晩餐でマルケスの話をスペイン語で引用した。「心を持つ者にとって忘却は難しい（Ｏｌｖｉｄａｒ　ｅｓ　ｄｉｆｉｃｉｌ　ｐａｒａ　ｅｌ　ｑｕｅ　ｔｉｅｎｅ　ｃｏｒａｚｏｎ）」。コロンビアが６・２５韓国戦争（朝鮮戦争）時に派兵したことに対して忘れず感謝しているという言葉だった。マルケスを尊敬するコロンビア人は朴大統領に賛辞を送った。

だが国内政治は混沌の中だ。ポータルサイトの「たくさん見たニュース」の分類で“男性たち”は成完鍾（ソン・ワンジョン）リストに嘆き、“女性たち”はセウォル号事故から１年の悲しみと、虚無感に陥っている。マルケスの慰やしは国内でさらに切実だ。成完鍾リストが追い立てた津波が深刻なのは、その終わりが分からないということだ。青瓦台（チョンワデ、大統領府）も野党も検察も首を横に振る。首相・大統領秘書室長、そして政府の実力者は耐えられない内部事情にてんてこ舞いしている。

司正（過ちを正す）宣言→別件捜査議論→政治家リスト暴露→逆風→刷新→開始と全く違う結末。振り返ってみれば国政空白を招いた再生ドラマの開始は陳腐なものだった。


首相が腐敗との戦争を宣言した。３月の木曜日（１２日）だった。世論は突拍子もない話だと思っていた。だが５日後に大統領が閣僚会議で「不正の塊を取り出さなければならない」と力を集中した。首相の話は、突拍子がないわけでもなくなった。「不正腐敗の清算は検察本来の使命」（１７日、キム・ジンテ検察総長）という「復唱」が後に従った。偶然にも翌日（１８日）は、成完鍾の自宅と京南企業本社は家宅捜索だった。「不正の塊を取り出さなければならない」検察の鋭い刃の前に、金大中（キム・デジュン）・盧武鉉（ノ・ムヒョン）・李明博（イ・ミョンバク）・朴槿恵時代を、実力者との親密な関係で耐えてきた“政治企業家”は２１日、死を選んだ。彼はメッセージと肉声証言という精巧な時限爆弾を残した。その爆弾は、腐敗との戦争を宣言した側に投げられた。



【時視各角】腐敗よりも無能がもっと恐ろしい＝韓国（２）