「この頃どんなことで忙しいのか」〔司空壹(サゴン・イル)中央日報顧問兼世界経済研究院理事長〕。「本当にさまざまなことだ」(ジャック・アタリ氏)。最近パリで会った司空壹顧問とジャック・アタリはうれしそうに握手をしてこのように挨拶した。アタリ氏は実際そうだった。彼は世界80カ国3000人余りと共に仕事をするマイクロ・ファイナンシング(小額金融)財団である「プラネット・ファイナンス」を運営している。これまでに65冊の本を出した作家でもある。エッセイだけでなく小説・戯曲に童話までと多彩だ。今秋ルーブル博物館で、芸術の歴史と自身の本『未来の波(A Brief History of the Future、邦題:21世紀の歴史 未来の人類から見た世界)』を土台にした未来観を比較する展示も準備中だといった。近ごろはオーケストラ指揮者にまでなった。司空顧問が「オーケストラの指揮は難しいはずだが」と話すとアタリ氏は「私がやってみた中で最も難しいことに間違いない」と答えた。2人の大学者はすぐに世界経済の流れ、望ましい市場経済や民主主義体制などについて深みのある対談を始めた。
▼司空=あなたの『21世紀の勝者(Millenium:Winners and Losers in the Coming World Order)』という本が出てきた後、1990年代初めに私がソウルに招いたことがある。その本であなたが話した「遊牧的な人間」「遊牧的なモノ」などが今日相当な現実になっていてうれしい。とにかく世界を見通す最近のあなた考えはどうなのか。
▼アタリ=『未来の波』で明らかにしたことがある。世界は今後5段階を同時あるいは順番に経ることになるとみている。最初の段階は米国の相対的な衰退だ。2番目の段階は10~20カ国が共同で世界秩序を作ろうと努力することだ。3番目の段階では国家の力ではなく市場の力(合法的でも非合法的でも)が世界を導くことになるだろう。4番目の段階では市場構成員があまりにも短期的現象に埋没したあげく大きな混乱とさらに大きな戦争まで行うことになるだろう。そして5番目の段階では、世界がうまく協力して調和のとれた世界秩序が出現する可能性があるとみている。ところで今私たちは、この5段階の最初の段階である米国の相対的衰退の終わりの部分にあると考える。もちろん現在の米国は強力で、誰も米国に代わることは難しいだろう。その結果、世界秩序の責任を負うべき「警察力」と「法治」が困難で無秩序が拡散するものとみられる。
▼司空=あなたは『21世紀の勝者』で米国の急激な衰退により世界は多極的混沌の中に置かれることになり、もし米国に代わる国が出てくるならば、それは非欧州国家だといった。それと共にあなたは日本が世界の超強大国になれる潜在力があり、世界の中心になれるとみた。まだそのような考えに変わりはないか。
▼アタリ=私はその本を1991年に書いた。その後、日本は自分たちに与えられた機会を逃した。特に日本が外国人投資と外国の影響を受け入れず閉鎖的なのが重要な問題だ。
▼司空=あなたはその本で中国については最初から言及もしなかった。
▼アタリ=私は中国が世界のリーダーになる可能性はないとみている。中国は単に地域レベルのリーダーは望んでいるが、世界のリーダーになることを望んでいないと考えている。中国は13~14世紀やほかの時期にも世界最強国だったが、欧州やアフリカなどに影響力を行使しようとしなかった。
▼司空=中国が今後もそうするとみているのか。
▼アタリ=そうだとみている。
▼司空=中国の力は国際舞台でいち早く伸びており、中国は過去2000年余りの間に自分たちがなじんできた中国中心の世界秩序を夢見ていると思われる。(中央SUNDAY第422号)
<インタビュー>今は米国衰退期…世界は「多極的混沌」避けがたいようだ(2)
莁インタビュー>今は米国衰退期…世界は「多極的混沌」避けがたいようだ(3)
▼司空=あなたの『21世紀の勝者(Millenium:Winners and Losers in the Coming World Order)』という本が出てきた後、1990年代初めに私がソウルに招いたことがある。その本であなたが話した「遊牧的な人間」「遊牧的なモノ」などが今日相当な現実になっていてうれしい。とにかく世界を見通す最近のあなた考えはどうなのか。
▼アタリ=『未来の波』で明らかにしたことがある。世界は今後5段階を同時あるいは順番に経ることになるとみている。最初の段階は米国の相対的な衰退だ。2番目の段階は10~20カ国が共同で世界秩序を作ろうと努力することだ。3番目の段階では国家の力ではなく市場の力(合法的でも非合法的でも)が世界を導くことになるだろう。4番目の段階では市場構成員があまりにも短期的現象に埋没したあげく大きな混乱とさらに大きな戦争まで行うことになるだろう。そして5番目の段階では、世界がうまく協力して調和のとれた世界秩序が出現する可能性があるとみている。ところで今私たちは、この5段階の最初の段階である米国の相対的衰退の終わりの部分にあると考える。もちろん現在の米国は強力で、誰も米国に代わることは難しいだろう。その結果、世界秩序の責任を負うべき「警察力」と「法治」が困難で無秩序が拡散するものとみられる。
▼司空=あなたは『21世紀の勝者』で米国の急激な衰退により世界は多極的混沌の中に置かれることになり、もし米国に代わる国が出てくるならば、それは非欧州国家だといった。それと共にあなたは日本が世界の超強大国になれる潜在力があり、世界の中心になれるとみた。まだそのような考えに変わりはないか。
▼アタリ=私はその本を1991年に書いた。その後、日本は自分たちに与えられた機会を逃した。特に日本が外国人投資と外国の影響を受け入れず閉鎖的なのが重要な問題だ。
▼司空=あなたはその本で中国については最初から言及もしなかった。
▼アタリ=私は中国が世界のリーダーになる可能性はないとみている。中国は単に地域レベルのリーダーは望んでいるが、世界のリーダーになることを望んでいないと考えている。中国は13~14世紀やほかの時期にも世界最強国だったが、欧州やアフリカなどに影響力を行使しようとしなかった。
▼司空=中国が今後もそうするとみているのか。
▼アタリ=そうだとみている。
▼司空=中国の力は国際舞台でいち早く伸びており、中国は過去2000年余りの間に自分たちがなじんできた中国中心の世界秩序を夢見ていると思われる。(中央SUNDAY第422号)
<インタビュー>今は米国衰退期…世界は「多極的混沌」避けがたいようだ(2)
莁インタビュー>今は米国衰退期…世界は「多極的混沌」避けがたいようだ(3)
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