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【社説】イラン核妥結で試される韓国の外交力

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
12年以上続いてきたイラン核問題がついに解決の局面に入った。主要6カ国(国連安保理常任理事国+ドイツ)とイランのマラソン交渉が昨日未明、劇的に妥結した。6月末に予定された最終期間まで追加交渉を通じて技術的な細部事項を埋める問題が残っているが、これまで議論された主な争点はほとんど解消された。オバマ米大統領が特別声明で明らかにしたように、イランの核開発を防ぐ「歴史的合意」といっても過言ではない。世界核不拡散の歴史に残る交渉と評価できる。

2002年8月、イランの反政府団体が軍事的な目的でイラン政府がウラン濃縮施設を秘密裏に稼働していると暴露したことで始まったイラン核問題は、国際社会の最大の難題の一つだった。平和的な核利用の権利を主張するイランと、核兵器開発を疑うイスラエルの激しい対立の中、軍事的衝突の危険が高まり、中東・世界情勢の不安につながってきた。しかし2013年にイランに交渉派のロウハニ政権が発足し、外交的「政治功績」を意識したオバマ大統領が「外交を通じた解決」路線に転じ、交渉の転機が生じた。

双方は、イランの核活動を事実上中断する代わりに、国際社会の対イラン制裁を解除するという内容の包括的共同行動計画(JCPOA)に合意した。米国はイランが保有するウラン濃縮施設の大半を廃棄または閉鎖することで、現在2、3カ月の「ブレークアウトタイム」(核兵器製造を決めた時点から核物質を確保するのにかかる時間)を1年以上に増やすのに成功した。イランは研究に必要な最小限の低濃縮活動は継続でき、「核主権」守護という名分とともに制裁解除を通じた経済的実利を確保することになった。名分と実利の適切な調和だ。


もう国際社会に残った核拡散問題は北朝鮮の核問題だけだ。キューバとの関係正常化、イラン核交渉の妥結に続き、北朝鮮の核問題までが解決すれば、オバマ大統領は外交的「大業」を成し遂げる。しかし状況は厳しい。イラン核問題の完全な解決までにはまだ越えるべきヤマが多いうえ、共和党が中心の米議会の反対も大きな障害物だ。最終案を完成し、それを土台に議会を説得するのも大変なことだ。しかも北朝鮮はイランと違う。核拡散防止条約(NPT)体制を離脱し、3回の核実験を実施した事実上の核保有国だ。北朝鮮は核保有を憲法に明記し、核武力の増進と経済発展の並進路線を追求している。2・29合意のインクが乾かないうちに長距離ミサイルを発射し、オバマ政権の体面を汚した前例もある。北朝鮮を信じて交渉を再開するには政治的なリスクがあまりにも大きいのが実情だ。

しかしオバマ大統領が「戦略的忍耐」の後ろに隠れて腕組みしている間にも、北朝鮮の核兵器に入る核物質は増えている。いつからか米国は北朝鮮の非核化をあきらめ、対中牽制のための「アジア回帰」の名分に北朝鮮の核を活用する戦略に変わった感じだ。イラン核交渉が妥結したからといって、北朝鮮核交渉の動力が自ずと生じる状況でないのは確かだが、それでも我々までが手放しにすることはできない。北核の脅威の当事者である韓国が動き出さなければいけない。米国・中国・ロシアは6カ国協議の当事国でありイラン核交渉の参加国でもある。イラン核交渉の妥結をきっかけに韓国政府はこれらの国と緊密に協議し、7年間中断状態にある6カ国協議の再開を模索する必要がある。南北接触を通じて北朝鮮を会談テーブルに引き込む努力も併行しなければいけない。

尹炳世(ユン・ビョンセ)外交長官は「韓国は従属変数でなく独立変数」と述べ、韓国を強大国の間に挟まれたサンドイッチ状況とみる敗北主義的・自己卑下的な見方を警戒した。オバマ大統領に話してもらちが明かないという考えで北核交渉の再開努力さえしないことこそ、敗北主義的で自己卑下的な態度ではないのか。北朝鮮の核を変えられない常数と認めて、高価な武器を導入して防ぐという考えなら、それは外交力不在を自ら表すものだ。イランの次は北朝鮮という覚悟で韓国が外交力を発揮するタイミングだ。



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