韓国が昨日、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加を宣言した。韓国はその間、米国と中国の間で身動きが取れなかった。米国は韓国のAIIB参加を引き止めた。韓国にとって米国より2倍大きい輸出市場である中国は参加を勧めた。その間、青瓦台(チョンワデ、大統領府)は安保利益と経済利益を同時に追求しようとする動きを見せた。韓国のAIIB参加決定はこうした悩みの産物だろう。英国をはじめとする米国の主要同盟国が参加を決めたため、韓国の足取りは軽くなった。また韓国は中国の意思に反し、高高度ミサイル防衛(THAAD・サド)体系を配備するようだ。朴槿恵(パク・クネ)政権は米国・中国という“クジラ”を操る意気揚揚な“エビ”に浮上した。必ずしもそうとばかり見ることはできないが。
もちろん韓国は中国と米国の間で適切な均衡を維持していかなければいけない。AIIB、THAADともに前向きな信号を送ったのも均衡のためだ。問題は韓国が受動的に反応するように映る点だ。またリーダーシップを発揮すべき時に計算するように見える。韓国はただ強大国に反応するのではなく、アジアで新しい規則と規範を創出するリーダーにならなければいけない。安保のために米国を、経済のためには中国を選択するのは、いくつかの面で危険な選択だ。AIIB問題は「韓国が擁護する国際経済の規則が北東アジア国際関係で維持されるだろうか」という質問と核心的に関係していた。単にAIIBに参加するかどうかという点を越える戦略が韓国に必要だった。
中国は韓国の選択を難しくした。AIIB設立構想は、昨年春に新しいアジア安保体制を主張した習近平国家主席の民族主義的な野心と軌を一にする。このため融資を受けるためにAIIBに参加しようとするベトナムなどの国も中国の意図を疑う。AIIBが世界銀行などの国際金融機構が要求するガバナンス・透明性や環境・人権基準を満足させるかどうかについていかなる約束もない。AIIBの主な目標は中国の資本余剰金を処理することだ。中国経済で非関税障壁が増えている点を勘案すると、AIIBが北京の重商主義のもう一つの道具になるかもしれないという疑いが生じる。
米国の同盟ネットワークから“離脱”し、AIIBに参加した同盟国があるというのが、オバマ政権を困惑させたようだ。しかしオバマ大統領のアジア重視政策(pivot to Asia)が戦略的に敗北したと判断する根拠は少ない。ワシントンは以前にも数回にわたりアジアに新しい機構・制度ができた時に抵抗した。しかし次のラウンドではリーダーシップを取り戻した。
1980年代末、東アジアの制度構築(institution-building)過程で米国は遅れをとって排除された。その後、米国は93年、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会談の定例化を主導することで主導権を回復した。97年、98年のアジア通貨危機への対処が遅れた米国は、韓米自由貿易協定(KORUS FTA)などを通じて環太平洋経済自由化過程で主導権を確保した。米国は2005年、東アジア首脳会議(EAS)参加をためらった。EASの目標が不透明だったうえ、EASが潜在的にアジア太平洋経済協力会議(APEC)に脅威となる可能性のためだった。米国は結局、東南アジア国家連合(ASEAN)を説得し、EAS会議をアジア太平洋経済協力会議(APEC)と同じ場所、同じ期間に開催させた。2010年にオバマ大統領が出席できるようにするためだった。
【コラム】米中の間に挟まれた韓国のジレンマ(2)
もちろん韓国は中国と米国の間で適切な均衡を維持していかなければいけない。AIIB、THAADともに前向きな信号を送ったのも均衡のためだ。問題は韓国が受動的に反応するように映る点だ。またリーダーシップを発揮すべき時に計算するように見える。韓国はただ強大国に反応するのではなく、アジアで新しい規則と規範を創出するリーダーにならなければいけない。安保のために米国を、経済のためには中国を選択するのは、いくつかの面で危険な選択だ。AIIB問題は「韓国が擁護する国際経済の規則が北東アジア国際関係で維持されるだろうか」という質問と核心的に関係していた。単にAIIBに参加するかどうかという点を越える戦略が韓国に必要だった。
中国は韓国の選択を難しくした。AIIB設立構想は、昨年春に新しいアジア安保体制を主張した習近平国家主席の民族主義的な野心と軌を一にする。このため融資を受けるためにAIIBに参加しようとするベトナムなどの国も中国の意図を疑う。AIIBが世界銀行などの国際金融機構が要求するガバナンス・透明性や環境・人権基準を満足させるかどうかについていかなる約束もない。AIIBの主な目標は中国の資本余剰金を処理することだ。中国経済で非関税障壁が増えている点を勘案すると、AIIBが北京の重商主義のもう一つの道具になるかもしれないという疑いが生じる。
米国の同盟ネットワークから“離脱”し、AIIBに参加した同盟国があるというのが、オバマ政権を困惑させたようだ。しかしオバマ大統領のアジア重視政策(pivot to Asia)が戦略的に敗北したと判断する根拠は少ない。ワシントンは以前にも数回にわたりアジアに新しい機構・制度ができた時に抵抗した。しかし次のラウンドではリーダーシップを取り戻した。
1980年代末、東アジアの制度構築(institution-building)過程で米国は遅れをとって排除された。その後、米国は93年、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会談の定例化を主導することで主導権を回復した。97年、98年のアジア通貨危機への対処が遅れた米国は、韓米自由貿易協定(KORUS FTA)などを通じて環太平洋経済自由化過程で主導権を確保した。米国は2005年、東アジア首脳会議(EAS)参加をためらった。EASの目標が不透明だったうえ、EASが潜在的にアジア太平洋経済協力会議(APEC)に脅威となる可能性のためだった。米国は結局、東南アジア国家連合(ASEAN)を説得し、EAS会議をアジア太平洋経済協力会議(APEC)と同じ場所、同じ期間に開催させた。2010年にオバマ大統領が出席できるようにするためだった。
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