永中路(ヨンチュンノ)はベビーカーを押す母親たちにとって最悪のコースだ。シ・ヨンウさんがベビーカーを押して永中路の歩道を通過している。ベビーカーは1.5~2メートルの狭い通路をなかなか通り抜けることができなかった。
道路ダイエット(車道を減らすこと)は先進国ではすでに一般化している。現在、米国ニューヨークのタイムズスクエアでは車道を減らす工事の真っ最中だ。車道を減らせば交通量が少なくなって車があまり渋滞しなくなり、歩行者が増えてストリート経済が生き返ると判断したためだ。
東京の繁華街である表参道は「駐車場のない商圏」をコンセプトに再開発された。実際、違法駐車が少なくなって観光客が大きく増加した。
道路ダイエットの理論的根拠は「ブラエスのパラドクス(Braess’ paradox)」。この逆説は道路を減らすと逆に交通量が少なくなるという内容を含んでいる。建築都市空間研究所のチェ・ヘソン所長は「車両の急激な増加で社会間接資本(SOC)だけでは交通難を解決できなくなった」とし「都心から車を追い出して循環道路を活性化する都市デザインが脚光を浴びている理由」と話した。
この逆説の初の実験対象に浮上した永中路(ヨンチュンノ)はショッピングモールに出入りする車、京仁路から汝矣島(ヨイド)に向かう車、西部幹線道路から永登浦路に流入する車がすべて経由する場所だ。今月1日も永中路は大渋滞だった。主婦のシ・ヨンウさん(31)は生後5カ月の男児をベビーカーに乗せてショッピングモールへ向かった。だが、シさんはベビーカーとともに歩道から動けなくなってしまった。3~5メートル幅の報道には屋台が密集していて、実際に人が歩ける有効歩行幅は1.5メートル程度だった。
車道減らせば交通量減少…「ブラエスのパラドクス」、韓国初の実験(2)
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