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天野浩教授「ノーベル賞、皆さんの条件の方が私よりはるかに有利…ぜひ挑戦を」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

天野浩教授が青色LED研究とノーベル賞受賞について説明している。(写真=成均館大学校)

「青色発光ダイオード(LED)の開発に必要なP型窒化ガリウム(GaN)の決定化に初めて成功したのが28歳の時です。私が研究をした時より、現在の皆さんの状況ははるかに良いと考えます。さらに難しい課題と主題に挑戦してください」

世界的な半導体工学者であり昨年のノーベル物理学賞共同受賞者である名古屋大学の天野浩教授(55)が26日、ソウル明倫洞(ミョンニュンドン)の成均館(ソンギュングァン)大学校で開かれた招待講演で韓国の大学生にこのように話した。天野教授は1時間以上続いた同日の講演で青色LEDを開発するまでの失敗談とノーベル賞受賞にまつわる裏話を披露した。天野教授は「ノーベル賞受賞者発表当時は飛行機の中にいて、自分が物理学賞受賞者に選ばれたことを知らなかった」とし「空港に記者が大勢待機していて、何が起きていたのか知らなかった私は彼らの前をただ通り過ぎてしまった」と笑った。

天野教授は1980年代から赤崎勇教授とともに青色発光LED開発研究を進めてきた。数千回の失敗を経て、ついに92年科学界の長年の宿題と見なされていた青色LEDの開発に成功した。


赤・緑色LEDはすでに60年代に開発されたが、光の三原色(赤・緑・青)を実現する青色LEDはその後30年間開発に至らず、白色LEDは実用化されていなかった時だ。昨年スウェーデン王立科学アカデミーは青色LED開発の功績を認め、彼らと米国カリフォルニア大サンタバーバラ校の中村修二教授をノーベル物理学賞受賞者に選定した。

当時、王立科学アカデミーは「蛍光灯より4倍以上の高効率であるLEDの商用化は地球資源の節約に貢献した」と彼らの業績を評価した。

天野教授はLED研究を始めることになった契機を「ビル・ゲイツとスティーブ・ジョブズのため」と説明した。75年ビル・ゲイツがマイクロソフト(MS)を創業し、翌年76年にスティーブ・ジョブズがアップルコンピュータを製作したことで自身もコンピュータに関心を持つことになったという。天野教授は当初コンピュータシステムについて研究したかったがその環境が整った研究所を探せなかったという。天野教授は代わりに当時使われていたブラウン管ディスプレイが電力を多く消費し、サイズも大きい点に注目した。「もし青色LEDができればディスプレイがスマートになると思い、1982年から研究を始めた」というのが彼の説明だ。

だが、成果が出るまでは長い道のりだった。天野教授は「基礎研究は成果がすぐ出てくるのではなく時間がかかる」とし「最後まで研究を続けられる体制を作ることが大切」と付け加えた。天野教授もやはり、研究過程で日本科学技術振興機構(JST)や産業体からの支援を受けたという。

天野教授は今後の計画を尋ねる学生の質問に「今後研究すべき課題は無尽蔵にある」とし「青色LEDの価格を低くすること、緑色LEDの効率性向上などを研究する計画」と話した。



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